1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
無アルブミンラット肝の病的(硬変肝)生理的(部分切除肝)肝再生機序に関する研究
Project/Area Number |
61570354
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
永森 静志 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 講師 (60119831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤瀬 清隆 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 講師 (60057057)
田中 寿子 東京慈恵会医科大学, 附属研究部, 助教授 (60072401)
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Project Period (FY) |
1986 – 1987
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Keywords | 無アルブミンラット / NAR / アルブミン陽性細胞 / 肝再生 / 硬変肝 / 陽性細胞の数量解析 / コンピューター解析 / 肝細胞初代培養 |
Research Abstract |
無アルブミンラット(NAR)は血清アルブミンが極めて低値であるが, 外観発育, 繁殖等は正常ラット(SD)と殆ど差のないことが知られている. われわれは, NAR肝組織中に出現するアルブミン陽性細胞を肝再生のマーカーとしてとらえ研究を行ってきた. 本研究では, NARの病的(硬変肝)と生理的(部分切除肝)での肝の再生機序の解明をアルブミン陽性細胞を指票として行った. NAR部分切除肝においては, 経時的に陽性細胞数が増加する傾向が見られ, 8日後の肝組織においては, 多量体細胞が増加する傾向がみられ, 総細胞数も3.7倍の増加を認め, 肝重量の回復と比例関係がみられた. NAR硬変肝に出現する陽性細胞は, 再生結節内に集簇的に出現する傾向を示し, 12週処理後のNARにおいては, 再生結節内に30個程度の集簇細胞群として出現した. 対照として用いた加齢NAR肝のアルブミン陽性細胞は経時的に増加し, 22週において肝細胞数約一万個当り58個と増加したが, いずれも単一の細胞であった. 硬変肝の連続切片をPAP法によりアルブミン染色を行ない, 再生結節内のアルブミン陽性細胞のコンピューター解析を行うと, 陽性細胞は相互に隣接し同一方向への配向を呈し, 単一細胞よりの増殖を思わせる所見であった. 集簇するアルブミン陽性細胞群をとりまく陰性細胞の間には, 光顕的に差異は見られなかった. 部分切除肝におけるアルブミン陽性細胞群は, 多くとも2重〜3重体までであった. さらに密度勾配遠心法による細胞分離で, 高比重分画に陽性細胞が約2倍集中する傾向があり, 特に48時間の初代培養法により明らかとなった. 以上の結果より, 病的及び生理的肝再生の理解にアルブミン陽性細胞は極めて有効な手段であった. 今後アルブミン陽性細胞の単離, 培養により, アルブミン産生細胞と, 非産生細胞との生化学的, または超微形態の研究がさらに進展すると思われる.
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[Publications] 清水恵一郎: 肝臓. 27(Supple). 159 (1986)
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[Publications] K.Shimizu: VII Internstional Congness of livor Diseases Cirrhosis(Falk Symposiun No44). 22 (1986)
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[Publications] K.Shimizu: Journal of clinicul Electronmicroscopy. 19. 563-564 (1986)
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[Publications] 永森静志: 東京慈恵会医科大学附属研究部年報. (1987)
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[Publications] S.Nagamori: Hepatulogy. 6. 783 (1987)