1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570365
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉澤 靖之 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (20174914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 盛男 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00143173)
長谷川 鎮雄 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (90009481)
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Keywords | 吸入抗原 / 抗原吸収 / 潅流摘出肺 / 肺胞マクロファージ |
Research Abstract |
経気道的に侵入してくる抗原の吸収経過, とくにリンパ行性ならびに肺胞毛細血管障壁を介しての吸収について, 分子量の相違する抗原あるいは粒子抗原と液性抗原との比較などを目的とした研究である. 本実験に必要な潅流摘出肺のシステムは, 心臓はカテーテルに人工ポンプを接続し自己血液あるいは潅流液で潅流し, 肺はレスピレーターを接続した密閉ボックス内の陰圧にてpassiveにinflateするシステムである. この状態を6時間以上, 肺を正常に保って保持する必要があるが, 今の所肺動脈圧および肺静脈のモニタリングで実験中変化を認めていない. この実験中の血清補体価(潅流血液の)および好中球数を検討したが, 無処置の時には変動を認めなかった. 組織学的検討でも実験時間中は病変を示さない. 以上より本システムは完成したと考えられる. 抗原の吸収(液性)を検討したが, 分子量の小さいもの(例えば電解質やアミノ酸)は短時間のうちに肺胞毛細血管障壁を通過したが, 分子量の大きいもの(ヒト血清アルブミンや免疫グロブリンG)は経時的に増加を示したが吸収量は少なかった. この点, 分子量がどれ位で障壁の通過が悪くなるのか検討中である. 粒子抗原については, 潅流摘出肺では吸収が極めて悪く, 今後in vivoとの対比が重要と考えている. 現在迄, ヒト肺胞マクロファージの抗原呈示能について検討し, リンパ球とマクロファージの比が変化すると抗原呈示能も変化することを発表してきた. 同様に兎肺胞マクロファージを用いて抗原呈示能についての検討を開始した. 今後は液性抗原と粒子抗原とで, 肺胞マクロファージの抗原呈示能を検討する予定である.
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