1986 Fiscal Year Annual Research Report
非線形適応制御方式による完全自動化人工呼吸制御装置の開発
Project/Area Number |
61570369
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
若松 秀俊 足利工大, 工学部, 助教授 (40014237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影井 清一郎 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20017966)
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Keywords | 人工呼吸制御 / 適応制御 / 非線形自己回帰移動平均モデル |
Research Abstract |
本年度は、人工呼吸制御系の基本的骨格を概略完成することを目標にして、次のように研究を行った。 まず、(1)体組織中の代謝量の変動分の複雑な影響を考慮しながら、肺胞換気量と動脈血炭酸ガス濃度の関係を一般性のある非線形自己回帰移動平均モデルで表現するためのアルゴリズムを開発した。また、適応アルゴリズムを用いて、この数学モデルで表わした非線形システムを同定する方法を考案するとともに、後に人工呼吸制御装置を患者に接続した場合に、患者の動脈血炭酸ガス濃度をできるだけ速く、医師の与えた望ましい特性にするための呼吸器系に関する一応のモデル化を行った。 次に、(2)制御対象について得られる知識が極めて僅かで不正確であっても、入出力情報だけを用いて患者の個体差やパラメータの変化に対して適応的に対応できる人工呼吸制御系の構造の設計を行った。具体的には、上記の非線形構造を呼吸調節系に仮定して、モデル規範形の適応制御系を設計してシミュレーション実験を行った。これより、以前に本研究代表者が提案した外乱再現法とモデルマッチング法による人工呼吸制御系の性能と比較して、十分な性能をもつ制御系を構成できることが確認できた。これらの成果は一部発表済みである。 さらに、(3)人工呼吸制御装置に必要な制御要素を設計し、製作中である。しかしながら、非線形自己回帰移動平均モデルを用いて適応制御システムを構成した場合の推定パラメータの真値への収束性、また制御入力が負の換気量の場合にこれを零とみなす制御アルゴリズムの制御精度への影響、さらに生理学的に適切で安全な波形をもつ肺胞換気量を与える方法についての検討が必要である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 若松秀俊: 電気学会 全国大会論文集. 1904-1905 (1986)
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[Publications] 若松秀俊: 第25回日本エム・イー学会大会論文集. 24特別号. 536-536 (1986)
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[Publications] 若松秀俊: 計測自動制御学会 制御理論・システム合同シンポジウム論文集. 409-412 (1986)
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[Publications] 若松秀俊: 計測自動制御学会論文集. 22. 791-793 (1986)
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[Publications] 若松秀俊: 第2回日本健康科学学会大会論文集. 57-57 (1986)