1988 Fiscal Year Annual Research Report
後天性免疫不全マウスを用いたM.intracellulare感染モデルの開発
Project/Area Number |
61570372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久世 文幸 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (10027104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 孝吉 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (10166796)
鈴木 康弘 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (90027110)
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Keywords | マウス感染モデル / M.intracellulare / モノクロナール抗体 / 後天性免疫不全 / 細胞性免疫 / 非定型抗酸菌症 |
Research Abstract |
M.intracellulare 31FO93T株感染マウスに(BALB/C)rlL-2,DJ-7041(Muromyl dipeptide derivative)サイクロスポリンA(CyA)を連日皮下投与し、その炎症細胞表面抗原発現の推移を検討した。検討は感染1日後、1週後、2週後、3週後、4週後、以後2週間隔で8週後まで経時的に全肺洗浄(TPL)を行い、回収した細胞をモノクロナール抗体、(抗マウスThy1.2、Lyt-2、L3T4及びIa)を用い表面抗原の経時的推移を観察した。測定はflow cytometer ABCAS-100を用いて行った。洗浄細胞中のJa陽性マクロファージはγlL-2投与群で早期に対照と比較し有意に増加が認められ、DJ-7041投与群では後期に増加が認められた。γlL-2投与群の感染後期及びDJー7041投与群の感染早期は対照群(生理食塩水皮下投与群)と差を認めなかった。Thy1.2陽性、L3T4(CD4)陽性、Lytー2(CD8)陽性リンパ球の動態はDJー7041投与群に増加が認められ、γlL-2投与群で感染8週後に増加が認められたがCyA投与群は対照と差を認めなかった。肺内遷元生菌数の推移をみると、感染6週以後各免疫修飾物質投与群において抑制傾向が認められた。肺洗浄マクロファージ及びリンパ球の表面抗原現動態は肉芽腫形成までの(感染6週後まで)早期(acute reaction phase)に顕著であり、免疫修飾物質(γlL-2、DJ-7041、CyA)を投与したマウスではマクロファージのIa発現においてより大きな変化を認めた。またγlL-2、DJ-7041を投与した群において肺内遷元生菌数の抑制傾向が認められたことは、Ia発現をマクロファージ活性化の一つの指標とするならば、マクロファージが抗酸菌感染に大きな役割を持っていることから、これら免疫修飾物質を投与することによりM.intracellulare感染症において治療の一助となる可能性も示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Kato;K.Yamamoto;Y.Suzuki;F.Kuze: American Review of Respiratory Disease.
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[Publications] M.Kato;K.Suzuki;E,Tanaka;F.Kuze: American Review of Respiratory Disease(American Thoracic Society 85th Annual Meeting,May17-1989).