1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
運動負荷モデル犬による虚血心の病態解明について-特にAnaerobic thresholdの意義拡張機能を中心として-
Project/Area Number |
61570400
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 幸夫 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (90004712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前原 和平 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (90181817)
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Project Period (FY) |
1986 – 1988
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Keywords | 心筋虚血 / 運動負荷 / 二枝狭窄 / 拡張期心筋コンプライアンス / 心機能 / 左室圧下降時定数 / 心筋長 / 心内圧関係 / ラグラジアン・ストレイン |
Research Abstract |
運動負荷時, 虚血性心疾患では左室拡張末期圧が上昇することが認められているが, その機序はまだ明確にされていない. 本研究ではその機序を麻酔開胸犬運動負荷モデルを用い明らかにしたので報告する. 方法, 運動負荷は麻酔開胸犬(n=7)の大腿及び座骨神経を2分間電気刺激して行った. 運動負荷は冠狭窄なし及び左前下行枝及び回旋枝動脈を狭窄し冠血量が30-40%(平均37%)減少下で行った. 前下行枝領域の短軸方向に刺入した超音波クリスタルで心筋長, 年度内予算で購入した圧トランスジューサーにより心内圧を, それぞれ測定し, 心筋長-心内圧関係から虚血部の弾性特性をもとめると共に, 左室圧下降の時定数の変化から左室弛緩特性についても検討した. なお, 心筋長-左室拡張期圧関係については上下大静脈を閉塞し拡張末期圧をほぼ0にし無負荷時の心筋長l_0をもとめ, これよりlagrandian strainを算出, 負荷前後の心筋長変化を正規化した. 結果, 冠狭窄なしでは心拍数115から197(平均)左室収縮期圧は125から177mmHgへと増大し, 拡張末期圧は5.3から4.6mmHgへと減少した. 一方, 冠狭窄下では心拍数増大は同様だったが, 左室の収縮期圧は増加の程度が少く, 拡張末期圧は7より16mmHgへと逆に上昇した. この時, 左室圧下降の時定数は21msecより32msecへと延長したが, 負荷では不変であった. 無負荷時の心筋長は虚血後のび, さらに運動負荷ではその傾向を一層強めた. 虚血後の拡張末期圧・心筋長は増加し負荷後は拡張末期圧の増大がより明らかとなったが, l_0ののびが一層著明であった為に心筋長-拡張末期圧関係の勾配は, 非虚血時に比べ著増した. 考案, 結論, 虚血下の運動負荷では左室拡張末期圧は増加した. その理由として心筋弛緩特性, 右心拡張期圧上昇による対側心室からの影響などよりはむしろ心筋弾性特性そのものの変化によること, その背景にl_0の延長が関与していること, が示唆された.
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[Publications] Kazuhira Maehara Yukio Maruyama, Seijiro Yoshikata Tohru Takabashi Tamotsu Tekishima: Automedica. 9. 143 (1987)
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[Publications] 前原和平,丸山幸夫,吉方清治郎,高橋透,滝島任: Japanese Ciralation Journal. 51. 255 (1987)