1986 Fiscal Year Annual Research Report
実験的体液増加に伴う心房性Na利尿ペプチド及び内因性ジギタリス様物質の変動
Project/Area Number |
61570403
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
酒巻 哲夫 群大, 医学部, 助手 (20124654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 秀一 群馬大学, 医学部第二内科, 講師 (80124650)
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Keywords | 生理食塩水負荷 / 内因性ジギタリス様物質 / ラビット |
Research Abstract |
体重2800〜3300g(平均3051±69g)のニュージーランドホワイトラビットを用いて以下の実験を行った。 (1)実験【I】 正常ラビット7兎の大腿動脈・静脈にカテーテルを挿入し、血圧測定,採血,生理的食塩水注入用にもちいた。血圧測定,採血の後に生理的食塩水を100ml/hrの速度で24時間持続点滴し、再度血圧測定して採血した。平均血圧は生理的食塩水負荷前93±5mmHg,負荷後93±3mmHgと全く変化しなかった。ヘマトクリット値は負荷前39±2%から負荷後34±1%へ有意に(P<0.05)減少した。内因性Na-KATPase阻害因子の一つと考えられる内因性ジキタリス様物質をTravenol-Genentech Diagnotics社(USA)の抗体を用いてradio-immanoassay法で測定すると、生理的食塩水負荷前206±26pg/ml(ジゴキシン相当量)から負荷後158±31pg/mlへと有意に(P<0.05)減少した。 (2)実験【II】次により短時間の生理食塩水負荷の影響を検討する目的で、正常ラビット8兎に実験【I】と同じ手順で生理食塩水を6時間負荷し、前後の内因性ジキタリス様物質を測定した。同物質は負荷前255±13pg/mlから負荷後194±14pg/mlへ有意に(P<0.001)減少した。 以上の結果から生理的食塩水負荷による体液量増加の際には、内因性ジギタリス様物質はむしろ減少し、これまでの他の研究者の報告とは異なる結果を得たが、今後この点に関してさらに詳細な検討を要する。心房性Na利尿ペプチド測定のための血液サンプルも採取したが、市販の測定キットは抗ヒト抗体であり、ヒトとラビットの心房性Na利尿ペプチドは一部アミノ酸構成が異る為現在測定の信頼度を検討中である。
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