1986 Fiscal Year Annual Research Report
培養傍系球体細胞を用いたレニン分泌調節に関する研究
Project/Area Number |
61570419
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高田 泰治 愛媛大, 医学部, 講師 (20127898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 誠一 愛媛大学, 医学部, 助手 (60145084)
村上 英紀 愛媛大学, 医学部, 助手 (90110832)
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Keywords | レニン / 傍糸球体細胞 / カルシウムイオン / カルモジュリン / カルデスモン / ミオシン軽鎖キナーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、ラット腎臓から傍糸球体細胞を生細胞の状態で分離し、傍糸球体細胞におけるレニン分泌のどの段階でカルシウムイオンおよびカルシウム調節蛋白がどのように関与しているかを明らかにするところにある。これまでの研究成果は、まず、傍糸球体細胞の分離に関して、独自の分離法を開発して精製段階に加え純度を高めた点である。すなわち、ラットの腎の細片をコラゲナーゼにて処理し、三種類のメッシュを通して細胞浮遊液を得た後、これまで一般的に行われていたフィコール不連続密度勾配遠心法に加えて、さらにアンジオテンシン変換酵素抗体を用いたパニング法を応用し、傍糸球体細胞の純度を高める方法である。この方法により、傍糸球体細胞を10%程度含む生細胞を得ることができた。この傍糸球体細胞分画の培養系を用いた基礎的なレニン分泌動態をみると、数時間まではレニン分泌が保持されていることを確認した。 本研究計画では、この傍糸球体細胞の培養系を用いて、カルシウムイオン濃度の変動時や、カルシウム培抗剤あるいはカルシウムイオノフォアを添加した時のレニン分泌に及ぼす効果を、β刺激剤およびアンジオテンシン【II】添加時の効果を比較対照として検討する予定であり、現在、この計画に沿って研究を進めている段階である。 一方、カルシウム調節蛋白に関する成果として、主要なカルシウム調節蛋白であるカルモジュリン、カルデスモンおよびミオシン軽鎖キナーゼの単離精製に成功し、後二者につき、その特異抗体を得ることができた。現在、これらの抗体を用いて蛍光抗体法、電顕酵素抗体法により、傍糸球体細胞におけるカルシウム調節蛋白の細胞内局在を明きらかにするために研究を進めている。
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