1988 Fiscal Year Annual Research Report
不整脈の周期性変動の発現のメカニズムに関する実験的研究
Project/Area Number |
61570424
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢永 尚士 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80038702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市丸 雄平 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70038909)
牧野 直樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60157170)
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Keywords | 音刺激 / テレメトリー / 長時間連続心電図記録 / カテコラミン / 徐脈性不整脈 / 急死 / 不整脈の自然変動 |
Research Abstract |
目的 ホルター心電図上みられる心拍数や不整脈の自然変動のメカニズムを基礎的に検討することを目的とした。 方法 家兎(雄 10羽、体重3.8〜4.9kg)を用い、10日ないし14日間、連続記録を行った。電極は双極誘導を用い、ペントバルビタール麻酔下に、背部に固定した。心電図の記録はバイオテレメトリー(モデルZB-141G、日本光電製)を用い、送信器は特別に作成したジャケットで固定した。1羽を除き、3羽を別々のケージに入れ、同一の部屋で飼育し、環境条件が同一になるよう配慮した。室温は23±0.5℃で水、食事の摂取は自由とした。180ルックスの照明で午前6時より午後6時までを明。それ以外を暗とした。オーディオメータあるいは拍手を10回することにより音刺激を行い、不整脈の誘発を試みた。さらに別の10羽についてカテコールアミンを朝(7〜8時)夕(5〜6時)に耳静脈より採血し比較した。 成績 1)安静時心拍数(A) 最大心拍数(B) 最小心拍数(C)は、それぞれ243±45/分、293±32、218±33でAとCの間には有意の相関があった。(γ=0.6536、ρ<0.05)。 2)4羽で自然状態下で軽度の徐脈性不整脈の散発が認められた。 3)オーディオメーターから発する規則的な音刺激には無反応であったが、拍手による音刺激では27回中11回(40.7%)に中等度ないし高度の徐脈性不整脈が誘発された。 4)エピホフリン静注(0.01mg)によっても9回中6回(66.7%)に自然あるいは音刺激と同様な不整脈が誘発されたが音刺激の方が高度であった。 5)音刺激、エピネフリンに過敏性を示した1羽が急死した。 6)朝、夕間で静脈内のカテコラミン濃度には有意差を認めなかった。 総括 本研究は自然発生の不整脈における音刺激の関与の重要性を示唆している。無拘束下での家兎の長時間連続心電図記録は、不整脈や急死の基礎研究に有用と考えられた。
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[Publications] Ichimaru.Y・Kodama.Y;Ichimaru.M;Sato.Y;Yanaga.T.: Ann physid Anthrop. 6. 231-238 (1987)
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[Publications] Hata.T;Makino.N;Nakanishi.M;Yanaga.T.: Mol Cell Biochem. 84. 65-76 (1988)
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[Publications] Yanaga.T;Makino.N;Kawamura.N.: J.Cardiovas Pharmacol.
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[Publications] Yanaga.T;Kodama.Y;Ichimaru.Y;Makino.N;Tsubone.T;Otsuka.K.: J.Cardiovas Pharmacol.