1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570443
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
森川 昭広 群大, 医学部, 講師 (40125878)
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Keywords | 気管支喘息 / 気道過敏性 / メサコリン吸入試験 / 経皮酸素モニター |
Research Abstract |
気管支喘息の本態は、気道過敏性にあるとされ、メサコリンやヒスタミン吸入試験により検討されている。既に我々は年長児の気管支喘息患児については"アストグラフ"を用いて気道過敏性の検討を行ってきた。その結果、従来のアストグラフ法では9才以上の小児および成人についてのみその測定が可能であった。しかし、年少児においては従来のアストグラフでは呼吸抵抗を測定しえず、今回はメサコリン吸入中の児の動脈血酸素分圧の測定を経皮酸素モニターにより行い気道過敏性が検討しうるか否かを検討した。 対象は2才から16才の小児気管支喘息児78名(男子46名、女児32名)であった。対照は、2才から16才までの呼吸器疾患を有しない児25名(男児15名,女児10名)とした。メサコリン吸入試験はアストグラフTCK-6100H(チエスト社製)を使用し、被験者はトリクロリールの服用により眠らせた後、臥位にて各種濃度のメサコリンを、マスクにより吸入させた。経皮酸素モニターのセンサーは右上腕屈側に貼付し、原則としてモニターによる酸素分圧が吸入前の10%低下した時に試験を中止し、気管支拡張剤の吸入をおこなった。 その結果、1.経皮酸素モニターより得られる値は非常に安定していた。2.従来の方法で得られるパラメターと本方法で得られるパラメーターは非常によく相関した。3.年齢的に、正常児でも各種パラメターに相違が見られるので、今後気道過敏性を検討する際には、年齢の要員も考慮しなければならない。 以上の成績は従来解明しえなかった乳幼児の気道過敏性の成立機序,気管支喘息の早期診断の一助となろう。また、以前は鑑別しえなかった乳児毛細気管支炎と乳児喘息の診断に大きな役割を果すであろう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mochizuki,H.;Mitsuhashi,M.;Tokuyama,K.;Tajima,K.;Morikawa,A.;Kuroume,T.: Annals of Allergy.
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[Publications] 望月博之,三橋将人,徳山研一,田島公人,森川昭廣,黒梅恭芳: 日本胸部疾患学会雑誌.