1986 Fiscal Year Annual Research Report
尿素回路の調節因子としての小腸ミトコンドリアの役割特にライ症候群との関連性の検討
Project/Area Number |
61570464
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
若林 保良 京府医大, 医学部, 助手 (70158591)
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Keywords | ピロリン-5-カルボン酸合成酵素 / 小腸ミトコンドリア / 測定法 / ライ症侯群関連薬剤 |
Research Abstract |
1.ピロリン-5-カルボン酸合成酵素活性の新測定法の開発 陰イオン交換樹脂を2段階使用することで[【14^C】]グルタミン酸から生成した[【14^C】]ピロリン-5-カルボン酸を20pmolの検出感度で、特異性高く同定する事に成功した。本法を用いれば従来法では他の酵素活性により混在する[【14^C】]物質にうずもれて検出不可能となっていた種々の組織における微小活性も検出可能となった。 2.ピロリン-5-カルボン酸合性酵素活性のラットでの臓器分布と雌雄差 上法により検策したところ、従来より報告されていた、十二指腸,空腸回腸,胸腺の他にも、膵臓,網膜,大小脳にも約1/10の活性が認められ、肝臓,脾臓,唾液腺,腎臓,精巣,卵巣にも微小活性が存在する事を証明した。これらの内で、十二指腸,空腸,回腸,膵臓,胸腺,網膜の活性を、SDラットで雌雄差を比較したが、胸腺では雄が、膵臓では雌がやや高い活性を示したにとどまり、顕著な差異は認められなかった。 3.ライ症侯群関連薬剤の本酵素への影響 aspirin,salicylic acid,antipyrine,acetaminopheuol,phenacetin,awinopyrine,を5mMで加えたところ、salicylic acidが26%の阻害を示した他はすべて10%前後の阻害に留った。次にtyrosine代謝関連物質を検討したが、gentisic acidが45%,homogetisic acidが23%,dopamineが32%,DOPAが12%阻害した。他にhydroquinone,caprylic acidも45,21%の阻害を示した。更に0.1mmの終濃度に加えたところ、palriticacid,oleic acid,linoleic acidなどの長鎖脂肪酸も約20%の阻害を示した。これらの効果の意味付けを検討中。
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Research Products
(1 results)