1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570471
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
篠崎、立彦 タツヒコ 帝京大, 法学部, 教授 (10101718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 加津哉 帝京大学, 医学部小児科, 講師 (70091064)
荒木 和子 帝京大学, 医学部小児科, 研究助手 (90091058)
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Keywords | ロタウイルス / アデノウイルス / 下痢症 / 急性胃腸炎 / 分子疫学 / ラテックス凝集法 |
Research Abstract |
ヒト下痢症ウイルスには、ロタウイルス,カリシウイルス,ノーウォーク因子,アデノウイルス,コロナウイルスなどがあり、これらの臨床診断、流行疫学については不明な点が多い。今年度は以下の成績を得られたので報告する。(1)下痢症ウイルスの診断について:糞便からのロタウイルスの検出について市販のラテックス凝集法(LA)2種と、われわれが開発したLAを比較した。いずれのLAも有用であった。またフィルターバイアルをもちいた検体の処理法,Avidin-biotin法,近赤外比濁法の各法について検討した。また血清型の異なるロタウイルス(Wa,【S_2】,マウス株,Odelia-4型)抗血清を用いたLAについても比較した。臨床材料で反応に差があることがわかった。RNAハイブリダイゼンション法でロタウイルスの検出および血清型の判定を試みた。これらはすべて新しい成績を含んでいる。(2)下痢症アデノウイルスについて、分子疫学的,血清学的,臨床的成績を述べた。アデノウイルスによる下痢症も多いこと、40,41型が主流であることがわかった。院内流行を証明できた。同じ血清型でも泳動型で区別された。(3)ロタウイルスの臨床面について、川崎病との関係、脳炎の可能性について言及した。(4)ウイルス抗体の測面からロタウイルスとアデノウイルスについて検討した。糞便抗体から、ウイルス罹患を推測できることがわかった。下痢症アデノウイルスの年齢別抗体保有分布を測定できた。 今後も同様の研究を続ける予定である。
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Research Products
(23 results)
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[Publications] 篠崎立彦,荒木和子,牛島廣治,田島剛,金保洙,藤井良知: 日本小児科学会雑誌. 90. 205-211 (1986)
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[Publications] 牛島廣治,金保洙,荒木和子,篠崎立彦,神野英毅: 小児科診療. 49. 371-373 (1986)
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[Publications] Ushijima H;Araki K;Kohno H;Kim B;Shinozaki T;Hashira S;Fujii R.: Acta Paediatr Jpn. 28. 98-100 (1986)
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[Publications] Shinozaki T;Ushijima H;Kim B;Hashimoto G;Hashira S;Araki K;Fujii R;Tajima T;Kimura K.: Acta Paediatr Jpn. 28. 105 (1986)
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[Publications] Shinozaki T;Araki K;Ushijima H;Kim B;Tajima T;Fujii R.: Eur J Pediatr. 144. 513 (1986)
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[Publications] Shinozaki T;Araki K;Ushijima H;Kim B;Tajima T;Fujii R;Minamidani M.: Eur.J.Ped. 144. 516-517 (1986)
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[Publications] 篠崎立彦,荒木和子,牛島廣治,金保洙,藤井良知: 臨床とウイルス. 14. 101-102 (1986)
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[Publications] 篠崎立彦,荒木和子,牛島廣治,金保洙,藤井良知: 臨床とウイルス. 14. 99-100 (1986)
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[Publications] 牛島廣治,荒木和子,金保洙,篠崎立彦,藤井良知,神野英毅: 臨床とウイルス. 14. 103-104 (1986)
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[Publications] Ushijima H;Sekiyama Y;Sugamata K;Tajima T;Kim B;Yoshino K;Shinozaki T.: Acta Paediatr Jpn. 28. 129 (1986)
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[Publications] Ushijima H;Kohno H;Kim B;Shinozaki T;Araki K;Fujii R.: Pediatric Inf.Dis. 5. 492-493 (1986)
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[Publications] Ushijima H;Shinozaki T;Kim B;Araki K;Fujii R;Kohno H.: Acta Paediatr Jpn. 28. 427-430 (1986)
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[Publications] Ushijima H;Bosu K;Abe T;Shinozaki T.: Arch Dis Child. 61. 692-694 (1986)
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[Publications] Ushijima H;Kim B;Araki K;Shinozaki T;Fujii R.: Acta Pediatr Jpn. 28. 577-581 (1986)
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[Publications] 牛島廣治,近藤康夫,金保洙,荒木和子,篠崎立彦,藤井良知: 日本小児科学会雑誌. 90. 238 (1986)
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[Publications] 牛島廣治,荒木和子,篠崎立彦,藤井良知,江下優樹: 臨床とウイルス. 14. 527 (1986)
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[Publications] 牛島廣治,荒木和子,篠崎立彦,藤井良知,江下優樹: 臨床とウイルス. 14. 446-447 (1986)
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[Publications] 篠崎立彦,荒木和子,牛島廣治,藤井良知,田島まさ子,武田史子,安田和人: 臨床とウイルス. 14. 485-488 (1986)
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[Publications] 篠崎立彦,牛島廣治,荒木和子,金保洙,藤井良知: 臨床とウイルス. 14. 489-492 (1986)
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[Publications] 篠崎立彦,牛島廣治,荒木和子,小林正明,藤井良知: 臨床とウイルス. 14. 493-496 (1986)
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[Publications] Shinozaki T;Araki K;Ushijima H;Bosu K;Fujii R.: Eur J Pediatr. 145. 450 (1986)
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[Publications] 荒木和子: ウイルス. 36. 273-282 (1986)
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[Publications] 荒木和子: ウイルス. 36. 263-271 (1986)