1986 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚におけるロイコトリエンの合成,局在および機能の研究
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61570490
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井階 幸一 京大, 医学部, 講師 (00135568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 福美 京都大学, 医学部, 助手 (40156964)
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Keywords | 皮膚 / アラキドン酸 / ロイコトリエン / プロスタグランジン / リポキシゲナーゼ / 免疫組織化学 / ラジオイムノアッセイ |
Research Abstract |
ロイコトリエン(LT)はアラキドン酸より合成され、そのうちLT【B_4】は強力な白血球遊走作用により、また【LTC_4】、【LTD_4】は強力な血管透過作用、平滑筋収縮作用により気管支喘息などの発症に重要な役割を果してきている。皮膚においてもLTが合成され、尋常性乾癬をはじめとして種々の皮膚疾患の成立に関係しているといわれている。我々は皮膚におけるLTの局在およびその機能を調べるためにまずマウス皮膚におけるリポキシゲナーゼ活性を検討した。酵素活性はマウス皮膚の20,000g上清を酵素とし、基質である[【^(14)C】]アラキドン酸と37℃10分反応させ、反応停止後、生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーにて展開し、その放射能を液体シンチレーションカウンターにて測定した。皮膚のアラキドン酸のリポキシゲナーゼによる主たる反応生成物は12-HETEであり、15-HETEも少量認められたが、5-HETEは極少量であった。反応系に5μMのAA861を添加すると、これらの生成は著明に抑制された。また50mJ/【cm^2】のUVB照射24時間後のマウス皮膚では12-HETEの生成は約2倍上昇したが、これは真皮に浸潤してきた好中球由来である可能性が強い。肥満細胞を先天的に欠いているW/Wマウスの皮膚でも正常マウスとタンパク当りのリポキシゲナーゼ活性の差はみられず、肥満細胞は皮膚全体のHETE合成に大きな関与はしていないと考えられた。またラジオイムノアッセイにて皮膚の【LTB_4】、【LTC_4】の定量を試みたが、有意の結果を得られなかった。これは血清等の材料と異なり、皮膚からのLTの抽出、分画の操作が困難であるためと考えられた。免疫組織化学的に皮膚における【LTB_4】の局在も検討したが、抗体価の低さ、固定の困難さにより、意味のある結果を得ることができなかった。このように皮膚においては5-リポキシゲナーゼの活性は弱く、検出するために工夫が必要であり、LTの定量、局在の検索も皮膚では困難な点が多く今後これらを克服していきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kouichi,Ikai: Archives of Dermatological Research. 278. 445-448 (1986)
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[Publications] Kouichi,Ikai: Journal of Investigative Dermatology. 89. (1987)
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[Publications] Kouichi,Ikai: International Journal of Dermatology. 26. (1987)