1986 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの分化と分泌:ヒト及びマウスの培養細胞並びに炎症モデルを用いた研究
Project/Area Number |
61570497
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
伊崎 誠一 岩手医大, 医学部, 講師 (70118206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
許 培〓 岩手医科大学・医学部, 皮膚科, 助手 (50177945)
日比野 利彦 岩手医科大学・医学部, 皮膚科, 助手 (20137524)
|
Keywords | マクロファージ / プラスミノーゲン / アクチベーター / リンフォカイン / 肉芽腫性炎 / 鼠らい |
Research Abstract |
1)マウスの腹腔在住マクロファージ(Mφ)を培養したところ、これらは少量のプラスミノーゲンアクチベーター(PA)活性を培養上清中に分泌した。分泌されたPAは、マウスのウロキナーゼ(UK)と同じ分子量48Kを示した。 2)腹腔在住Mφを培養中、培養液中にレクチン刺激リンフォカイン、あるいは抗原刺激リンフォカインを加えることによって、高いPA分泌能を引き出すことができた。このとき、分泌される来たるPAの分子量が、48Kから24Kに変化し、限定的蛋白分解反応が示唆された。 3)ラテックス粒子の貧食によっても、同様にPA活性の上昇に、分泌されたPAの分子量が48Kから24Kに変化する現象がみられた。 4)マウスのMφの分泌するPAの分子量変化は、Mφの活性化の指標として使用しうるものであることが、鼠らい及びマンソン住血吸虫症を用いた慢性肉芽腫性炎の実験から明らかになった。 5)γ-インターフェロンを用いてマウスのMφの活性化を試みたが、PA分泌を一時的に上昇させること、並びにこの時マクロファージの活性化の指標となったPAの分子量変化がみられた。しかし、このγ-インターフェロンによる効果は持続的でなく、他の協力的に働くファクターの存在を示唆した。 6)ヒトの単球を培養したところ、培養4-5日後に粘着能を増し、マクロファージの形態を示すようになった。これらに対し、invitroにおける刺激実験を開始したが、まだ確立したデーターを得るに致っていない。 7)以上現段階では、マウスの系での実験がかなり進み、いくつかの論文発表にまとめることができたが、ヒトの系での実験になおしばらくの期間を必要とする。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] S.Izaki;M.Okamoto;P.S.Hsu;W.L.Epstein;K.Fukuyama: J.Cell.Biochem.32. 79-89 (1986)
-
[Publications] P.S.Hsu;S.Izaki;T.Hibino;M.Izaki: Exp.Mol.Pathol.45. 84-92 (1986)
-
[Publications] T.Hibino;S.Izaki;M.Izaki: FEBS Letters. 208. 273-277 (1986)
-
[Publications] S.Izaki;S.Tokairin;M.Okamoto;K.Fukuyama;W.L.Epstein: Life Science Advances,Series D(Biochemistry and Biophysics). 6. (1987)
-
[Publications] V.P.Bharadwaj;S.Izaki;O.Tanji;M.Izaki: Jpn.J.Leprosy. 55. (1987)
-
[Publications] 東海林真司,伊崎誠一,瀬川郁雄,日比野利彦: 血液と脈管. (1987)
-
[Publications] S.Izaki;T.Hibino;H.Shimoda;M.Izaki;ed.by S.Cohen;H.Hayashi;K.Saito;A.Takada: "Plasminogen activator in granulomatous inflammation,In"Chemical Mediators in Inflammation and Immunity"" Academic Press,Tokyo, 329-341 (1986)
-
[Publications] S.Izaki;S.Tokairin;T.Hibino;M.Izaki;ed.by F.J.Castellino;P.J.Gaffney;E.F.Plow;A.Takada.: "Secretion of plasminogen activator from cultured mouse macrophages:An immunologic stimulation mechanism,.In"New Prospects in Fibrinolysis-【I】"" John Libbey,London and Paris, (1987)