1986 Fiscal Year Annual Research Report
担癌患者リンパ球を用いたヒト型モノクローナル抗体の作製
Project/Area Number |
61570498
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
西山 茂夫 北里大, 医学部, 教授 (20050354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 宏太郎 北里大学, 医学部, 助手 (40155338)
衛藤 光 北里大学, 医学部, 講師 (20137920)
竹崎 伸一郎 北里大学, 医学部, 講師 (40129250)
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Keywords | モノクローナル抗体 / ヒト型モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / ケラチン / 中間径線維 |
Research Abstract |
上皮系の腫瘍を持つ患者の末梢血あるいはリンパ節よりリンパ球を分離し、ヒト骨髄腫細胞株LICR-LON-HMy2とポリエチレングリコールを用いて細胞融合を施行し、約100ケのヒト-ヒトハイブリドーマを作製した。これらのハイブリドーマのうち、いくつかのものは何らかの抗体を産生していたが、腫瘍細胞を特異的に認識するものは得られなかった。これらのうち、Oral florid papillomatosisの患者の手術時得られた所属リンパ節を用いた細胞融合により得られた2種類のハイブリドーマは、ともにIgMタイプのヒト型モノクローナル抗体を産生していた。これらの抗体は、ヒト正常表皮および付属器の構成細胞の細胞質と強く反応し、さらに間葉系細胞の細胞質とも弱いながら反応することより、抗原としてはkeratinおよびvimentinである可能性が強く示唆された。この反応パターンは、既に研究分担者の衛藤が発表したマウスモノクローナル抗体EKH1に類似しており、中間径線維蛋白が多くのhomologyを有していることからも上皮系腫瘍の持つケラチンに対して産生された抗体が、他の中間径線維成分と交叉反応性を示しているものと解釈された。しかしながら、最近、正常人においても抗ケラチン自己抗体が見出されており、その臨床的意義、特に腫瘍免疫に関与しているか否かについて、今後検討が必要であろう。
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[Publications] 衛藤光: 皮膚科の臨床. 28,特集号. 985-995 (1986)
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[Publications] Hikaru Eto: Proc.Jpn.Soc.Invest.Dermatol.11. (1987)
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[Publications] 久木田淳 編著: "現代皮膚科学大系 補遺版 「モノクローナル抗体」" 中山書店, (1987)