1986 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療が腫瘍宿主関係に及ぼす影響に関する血清学的ならびに免疫組織化学的研究
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61570503
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
三橋 紀夫 群大, 医学部, 講師 (20008585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 通隆 群馬大学, 医学部, 助手 (40182414)
早川 和重 群馬大学, 医学部, 助手 (70114189)
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Keywords | 腫瘍免疫 / 腫瘍マーカー / モノクローナル抗体 / ヌードマウス / 免疫組織化学 / 腫瘍特異抗原 / 放射線治療 |
Research Abstract |
1.放射線照射による担癌体の免疫能の変化の解析 (1)扁平上皮癌関連抗原(SCC)は、子宮頚部癌の治療経過観察に、極めて有用性が高いのみでなく、食道癌,肺扁平上皮癌,頭頚部癌においても高陽性率を示し、広く扁平上皮癌の腫瘍マーカーとして有用性が高い。 (2)肺癌を対象として7種の腫瘍マーカーの臨床的有用性について相互比較をおこなったところ、IAPの陽性率が74%と最も高く、またCEA,CA19-9,CA125では腺癌で、フェリチン,IAP,SCCでは扁平上皮癌で陽性率が高く、組織型を考慮して腫瘍マーカーの選択をすべきと考えられた。 (3)免疫賦活剤(PS-K)の至適投与方法について検討したところ、間歇投与(2週投与2週休薬)にて連続投与と同等な効果がえられることが、臨床的ならびに動物実験的に証明しえた。 (4)Lewis lung tumorの肺転移形成に及ぼす照射の影響について、片肺に20Gy照射したマウスを用いて検討したところ、【^3H】TdRでラベルした腫瘍細胞は、静注直後では照射側へより多く集積していた。単なる血液の多寡によるものかどうかを【^(99m)Tc】MAAを用いて検討中である。 2.放射線照射による腫瘍抗原の局在の変動ならびに血中への遊離機構の解析(1)CAEならびにCA19-9を産生する肺巨細胞癌のヌードマウスへの移植に成功したため、この腫瘍を用いて検討をおこなった。担癌マウスにCEA抗体を静注し、12時間後に各臓器への集積を比較したところ、腫瘍部に明らかな集積の増加が認められ、あらかじめ腫瘍部に照射を加えておくと、集積がさらに増加する傾向が認められた。この集積の増加が、抗原-抗体反応による特異的なものであるかどうか検討中である。 (2)臨床材料ならびに上記ヌードマウス腫瘍をCEAで染色したが、照射による染色性の変化は明らかにしえない。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 三橋紀夫,永井輝夫,岡崎篤,早川和重,加藤真吾,杉山純夫,中山優子,新部英男: 日本癌治療学会誌. 23(1). (1988)
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[Publications] 三橋紀夫,永井輝夫,早川和重,山川通隆,野嵜美和子,新部英男: 群馬医学. 44. (1987)
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[Publications] 三橋紀夫: 日本放射線技術学会東京部会雑誌. 投稿中. (1987)
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[Publications] 岡崎篤,三橋紀夫,中島信明,山川通隆,土屋美和子,見供修,新部英男: 日本癌治療学会誌. 22(1). 25-32 (1987)
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[Publications] 早川和重,加藤真吾,中島信明,前原康延,斉藤吉弘,見供修,中山優子,三橋紀夫,新部英男: 癌の臨床. 32(14). 1795-1798 (1986)
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[Publications] 三橋紀夫,新部英男: 臨床放射線. 32(1). 113-114 (1987)
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[Publications] 三橋紀夫,永井輝夫,佐々木康人,編集: "最新臨床核医学(臨床応用編),癌関連物質のR1A" 朝倉書店, 635(13) (1986)