1986 Fiscal Year Annual Research Report
^<19>F化合物によるNMR画像診断用造影剤の開発研究
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61570512
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山根 秀樹 九大, 医学部, 助手 (70182590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 洋子 九州大学, 薬学部, 助教授 (20037584)
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Keywords | 【^(19)F】-NMR / 【^(19)F】-NMRイメージング / FDGのNMRイメージング |
Research Abstract |
本研究は、【^(19)F】-NMR法により、生体内の【^(19)F】化合物を画像化して、従来のX線診断法における造影剤のような効果を得ようとする試みである。【^(19)F】化合物は自然状態で生体内にほとんど存在せず、適当な【^(19)F】化合物を投与してやれば、【^(19)F】が【^1H】に次ぐ高いNMR感度を有する核種であることから、その画像化も可能と考えた。使用した【^(19)F】化合物は、2-デオキシ-2フルオロ-D-グルコース(FDG)で、これをマウスに静脈注射して、一定時間後に臓器を摘出したものを、【^(19)F】NMR測定し、臓器内濃度、緩和時間などを求めた。 マウスは、FDG投与前に16時間の絶食を行った群と、絶食をしなかった群の2つに分けた。その結果、臓器内へのFDGの取り込み(臓器重量1g当りの、FDG全投与量に対する臓器内FDG量の割合)は、絶食マウス群で、脳が最も高く、次に心臓、肝臓、血液などで ほぼ同程度の取り込みが認められた。また、非絶食マウス群では、心臓が最も高く、次に脳が高く、肝臓、血液が同程度で これらに次いでいた。臓器中でのFDGの緩和時間は、脳で1.1秒、血液で0.9秒、心臓及び肝臓で0.8秒であった。以上の結果より、臓器内濃度が最も高かった絶食マウスの脳で、【^(19)F】NMRイメージングを試みた。まず、絶食したマウスにFDGを体重1g当り0.3mg投与して、30分後に脳を摘出した。脳内のFDG濃度は2mMであった。この脳の切片を10mmのNMR試料管中に置いたファントムを作製し、日本電子製スペクトロメーターFX-100(2.34T)を使用して、4方向より測定したものを投影再構成法により、画像化した。これにより得られた画像は、臨床応用のためには、まだ全く不充分なものであり、測定にも約40時間を要するなど、測定感度の向上や、画像法の改良など、さらに検討されるべき項目が多いと言えるが、【^(19)F】-NMR法によるイメージングの臨床応用への可能性を示したものと考える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 金沢洋子: Life Science. 39. 737-742 (1986)
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[Publications] 金沢洋子: Chem Pharm.Bull. 35. (1987)
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[Publications] 山根秀樹: Investigative Radiology. (1987)