1988 Fiscal Year Annual Research Report
感温フェライトを発熱素子として用いる癌の局所温熱療法に関する研究
Project/Area Number |
61570514
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Research Institution | Fukushima Medical College |
Principal Investigator |
佐藤 知矢 福島県立医科大学, 放射線科, 助手 (90178757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和衞 福島県立医科大学, 放射線科, 教授 (60045599)
星 宏治 福島県立医科大学, 放射線科, 講師 (50145629)
星野 俊明 福島県立医科大学, 放射線科, 助教授 (80145630)
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Keywords | 温熱療法 / ソフトヒーティング法 / 感温フェライト / 組織内加温 / 腔内加温 |
Research Abstract |
C3Hマウスの移殖腫瘍に直径2mm, 長さ10mmの小型発熱体を埋め込み, ソフトヒィーティング法による癌の局所温熱療法に関する実験的研究を行い以下のことが明らかになった. 1, )周波数41.6KHz, 最大中心磁界強度10KA/mの印加磁界にて加温したところ, 腫瘍内の発熱体は大気中と同様の良好な発熱特性, 自己温度制御能を発揮した. 2, )腫瘍内に刺入した発熱体による有効加温領域は当初予想された, 発熱体長軸方向と一致する長径10mm, 短径5〜10mmの楕円体よりやや小さめの領域と考えられた. 従って, 臨床的に複数個の発熱体を使用する場合, その間隔は7〜8mm以内にする必要があると考えられた. 3, )熱の腫瘍内へのより有効な拡散を期待して, 発熱体表面にシリコンコーティングを施さないものを刺入した場合, 約2週間で発熱体表面の蒸着銅環は溶解流出してしまい実際の使用には耐えられないことが明らかになった. またラットの正常皮下に埋め込んだものは約2週間後に組織を調べたところ強い炎症反応が認められた. 一方, 発熱体表面にシリコンコーティングを施こしたものでは約2週間後にもそのような炎症反応は認められなかった. 従って臨床的には, 組織内加温に際して発熱体のシリコンコーティングは必要不可欠と考えられた. また直腸癌, 子宮頚癌等を対象とした腔内加温を目的として犬の実験を行った. 体重15kgの成犬の肛門より上方10cmの腸管内に直径4mm長さ30mmの大型発熱体を留置し, 周波数43.7KHz, 印加磁界強度3KA/mで加温し, 発熱特性を調べたが, 印加磁界の反射, 減衰による発熱特性の変化は認められず, 腔内加温の臨床応用にもきわめて有望であると考えられた.
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Research Products
(1 results)