1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570516
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小島 周二 帝京大, 薬学部, 講師 (90119579)
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Keywords | レクチン / 放射性医薬品 / ガン |
Research Abstract |
Ehrlich腹水ガン(EAT)およびAH-130ガン細胞を対象として、【^(125)I】で標識した種々の植物レクチンとの結合性をIn vitroの実験系で検討した。レクチンとしてはPhaseolus rulgaris(PHA),Pisum sativum(PSA),Bauhinia purpurea(BPA),Maclurapramifera(MPA),Wheat germ(WGA),Griffonia simplicifolia-(I)(GS-I),Griffoniasimplicifolia-(【II】)(GS-【II】),Griffonia simplifolia(I-【B_4】)(GS-I【B_4】),Concanavalia Ensiformis(ConA),Vlex europeaus(I)(VEA-I),Arachis hypogaea(PNA),Glycine max(SBA),Dolichos biflorus(DBA),Riccinus communis(I)(RCA-I)及びRiccinum communis(【II】)(RCA-【II】)について検討した。この結果、EAT細胞に対してはPHA,ConA及びPSAが、AH-130細胞に対してはPHA,ConA,BPA,PSA,PNA,BPA及びMPAが高い結合性を示した。次に各々のガン細胞に対して高い親和性を示したレクチンを中心にEAT及びAH-130細胞をそれぞれマウス(大腿部皮下),ラット(背部皮下)に移殖、固型ガンを作成し、in vivoの実験系でのガン部位集積性を検討した。この結果、マウスEhrlich固定ガン(EST)に対してはPSAのみに高い集積性が観られた。一方、ラット背部皮下移殖固定ガンに対してはin vitroの実験系で高い結合性を示したレクチンはいずれも集積性は認められなかった。そこでPSAのマウスESTへの集積性をさらに詳細に検討することとした。この結果、PSAがEST細胞のmannose基を認識することが明らかとなった。さらにこれまでガンの核医学的診断薬として繁用されてきた【^(67)Ga】-citrateとの比較実験からPSAは血中からのクレアランスが極めて早く、鮮明なガン部位のイメージングに必要なより高いTumor/Blood比を得ることが、しかも【^(125)I】-PSA投与後の早い時期に得ることが可能であるという点で【^(67)Ga】-citrateよりすぐれた診断薬になりうる可能性が示唆された。今後、【^(125)I】-PSAよりもさらに生体内で安定な【^(67)Ga】標識PSAを作製し、ガン部位へのより高い集積を得ることについて検討する予定である。
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