1986 Fiscal Year Annual Research Report
老人斑アミロイドの初期病変の形成と周囲組織への影響
Project/Area Number |
61570520
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
巻淵 隆夫 新大, 脳研究所, 助教授 (10092727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊西 敏郎 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
小柳 清光 新潟大学, 脳研究所, 助手 (00134958)
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Keywords | 老人斑 / 原始老人斑 / 原始老人斑様構造 / アミロイド / 過沃素酸メセナミン銀染色 / 電顕 |
Research Abstract |
1.アルツハイマー病、アルツハイマー型老年痴呆の大脳に過沃素酸メセナミン銀(PAM)染色を行った。定型老人斑の芯と冠のアミロイドが黒褐色にまた原始老人斑様の構造が微細な線維の球として染色された。色素顆粒と一部の星膠細胞の突起も染色され、アルツハイマー神経原線維変化は時に淡く染色された。神経線維は染まらない為に、像は細部まで極めて明瞭で、老人斑の検出感度はBeilschowskyの平野-Zimmerman変法に匹敵し、Bodianや各アミロイド染色より優れていた。 2.同疾患の大脳皮質を電顕用に包埋した。連続切片法で、PAM光顕標本で位置を確認しながら、PAM電顕像と通常の電顕像を対比検討して、PAM陽性構造の同定と、原始老人斑様の構造の超微形態を検索した。定型老人斑では主にアミロイド芯に一致して強くPAM陽性であり、対応する通常の電顕像でアミロイドフィラメントに一致している事が確認された。 原始老人斑様の構造は通常の電顕だけではその存在を同定できず、PAM電顕で陽性の部と対応する部を通常の電顕で観察して初めて可能となった。定型あるいは原始老人斑に認められるようなアミロイドフィラメントの密な束や、変性腫大あるいは萎縮した神経突起,マクロファージはほとんど認められなかった。PAM陽性部分は微細な線維状の構造として認められた。通常電顕像では、主にやや粗に錯綜したほぼ直線状のフィラメントで、その直径は10nm前後であった。中間径フィラメントやアミロイドフィラメントにも類似するが、密度の走行の点でやや異なっていた。その存在部位は膜構造の保存が悪く明らかではないが、細胞外腔と考えたい部も認められた。
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[Publications] 巻渕隆夫,高橋均,生田房弘: 厚生省特定疾患「遅発性ウイルス感染」調査研究班昭和60年度研究報告書. 168-175 (1986)
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[Publications] 巻渕隆夫,渡部和彦,高橋均,生田房弘: 新潟大学脳研究所業績集. 【XIX】. 7 (1986)
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[Publications] 巻渕隆夫,生田房弘,高橋均: 厚生省特定疾患「遅発性ウイルス感染」調査研究班昭和61年度報告書. (1987)
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[Publications] K.Oyanagi;S.Nakashima;F.Ikuta;Y.Homma: Acta Neuropathol(Berl). 70. 190-192 (1986)
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[Publications] 小柳清光,高橋均,若林孝一,生田房弘: Brain Research. (1987)