1986 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン感受声性サイクリックAMP分解酵素の単離精製とその活性化機構
Project/Area Number |
61570538
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
牧野 英一 千葉大, 医学部, 講師 (50009578)
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Keywords | インスリン / cAMP / 脂肪分解抑制作用 / phosphodiesterase / Griseolic Acid / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
インスリンの抗脂肪分解作用はインスリンによりlow km cAMP phosphodiesterase(PDE)が活性化され、CAMPが低下する事によると考えられている。今年度は、このPDEの抗脂肪分解作用に於るPDEの役割につき、新しいPDE inhibitorであるGriseolic Acid(GA)を用いて検討した。方法はラット副睾丸脂肪細胞をKrebs-Henseleit Hepes buffer(2%BSA)pH7.4,37℃でインスリン3nM,GA100μg/ml(低GA),GA1mg/ml(高GA)をそれぞれ単独あるいは同時添加しインキュベートした。KONOらの方法に準じて粗ミクロゾーム分画を得、PDE活性を測定した。PDEに直接GAを添加するとPDE活性は阻害され、その【I_(50)】は0.15μg/mlであった。脂肪細胞にGAを加えインキュベートすると、PDE活性は用量依存性に抑制され、その際CAMPは上昇し、グリセロール放出の増加がみられた。脂肪細胞とインスリンをインキュベートするとPDEは活性化されるが、GAを同時添加すると、低GAでは軽度、高GAでは中等度にPDE活性化の抑制がみられた。このPDE活性化抑制に対応して、GAによるcAMP上昇、及びグリセロール放出に対するインスリンの抑制効果も軽度あるいは中等度抑制された。これらの結果より、PDE阻害の程度に応じて、インスリンによるcAMP低下作用及び抗脂肪分解作用も抑制された。即ち、インスリンの抗脂肪分解作用として、インスリンによるPDE活性化、その結果としてこのcAMP低下作用が重要な役割を演じていると結論された。
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[Publications] Suzuki,T.;Makino,H.;Kanatsuka,A.;Yoshida,S.: Metabolism. (1987)
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[Publications] 栗林伸一,牧野英一,金塚東,鈴木隆,吉田尚,藤本茂,奥井勝二: Peptide Hormones In Pancreas. 6. 193-198 (1986)
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[Publications] 鈴木隆,牧野英一,金塚東,吉田尚: 糖尿病. 30. 133-139 (1987)
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[Publications] 牧野英一: "糖尿病学'87 インスリン作用とInsulin-sensitive Phosphodiesterase" 診断と治療社, (1987)