1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570546
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 淳二 京大, 医学部, 助教授 (70026970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠木 寛治 京都大学, 医学部, 講師 (20115819)
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Keywords | 甲状腺刺激抗体 / 甲状腺刺激阻害抗体 / TSH受容体抗体 / バセドウ病 / 原発性甲状腺機能低下症 / 抗TSH抗体 / 抗イディオタイプ抗体 |
Research Abstract |
1.自己免疫性甲状腺疾患患者にみとめられる甲状腺刺激抗体とブロッキング抗体の相互作用を、ブタ甲状腺培養細胞のCAMP増加反応を指標として検討した。その結果、甲状腺刺激抗体の作用はいずれも、ブロッキング抗体により阻害されることが判明した。刺激活性の弱いものほど高度に阻害され、また、TSHの結合を阻害する作用(TBII)の検出されない刺激抗体はTBII強陽性の刺激抗体よりも強くその作用が阻害された。ブロッキング抗体による刺激抗体の作用阻害活性は、そのTBII活性とよく平行していた。以上の知見より、刺激抗体とブロッキング抗体は極めて近接した、もしくは同じ抗原部位を認織していることが示唆された。 2.粗精製TSH受容体分画を用いてのマウスモノクローナル抗体の作成では、多数の甲状腺膜抗体を産生するクローンおよびサイログロブリン抗体産生クローンを得たが、CAMP増加反応を示す刺激抗体はこれまで得られていない。 3.抗ヒトTSH家兎抗体をウシTSH-アフィニティカラムで精製し、交差反応性抗体を得た。次に、この交差反応性抗体にて家兎を免疫し、抗イディオタイプ抗体を作成した。得られた抗体のうちに、TSHの受容体結合を阻害するものが1ヶ見出され、その生物活性について検討中である。この成績は抗TSH抗体に対する抗イディオタイプ抗体としてTSH受容体抗体が産生され得ることを示唆している。そこで、この交差反応性抗TSH抗体と標識ヒトTSHの結合を阻害する抗イディオタイプ活性のスクリーニングを行ったが、TSH受容体抗体を有するバセドウ病患者の中に明らかな陽性者はみられなかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小西淳二 著,井析裕夫,岸本忠三,西塚泰美 編: レセプターと疾患代謝,臨時増刊号. 23. 45-51 (1986)
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[Publications] 小西淳二: 内科. 58. 801-804 (1986)
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[Publications] 小西淳二: 内科. 58. 984-992 (1986)
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[Publications] Konishi Junji: Endocrinol.Japon.34. 13-20 (1987)
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[Publications] Kasagi Kanji: Acta Endocrinol.111. 474-480 (1986)
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[Publications] Kasagi Kanji: J.Clin.Endocrinol.Metab.62. 855-862 (1986)
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[Publications] Konishi Junji: "Thyrotropin-binding inhibitor immunoglobulins in primary hypothyroidism in "Frontiers in Thyroidology"" Plenum Publishing Co.N.Y., 1505-1510 (1986)