1986 Fiscal Year Annual Research Report
新しい視床下部因子,とくにGRF,VIP,PHI,GAPの分泌調節機序について
Project/Area Number |
61570547
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 譲 京大, 医学部, 講師 (90030965)
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Keywords | 視床下部ペプチド / GRF / VIP / PHI / 成長ホルモン / プロラクチン |
Research Abstract |
新しい視床下部因子、とくに成長ホルモン分泌促進因子(GRF)、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、ペプチドヒスチジンイソロイシン(PHI)の分泌調節機序について、ラットを用いてin vitroならびにinvivoの系で検討を加えた。 ラット視床下部切片灌流時のGRF,VIP,PHIの放出は、それぞれ高カリウム濃度(56mM)の脱分極によって、カルシウム依存性に促進された。α、受容体刺激剤クロニジンの添加はGRFの分泌を促進した。β受容体遮断剤プロプラノロールはクロニジンの作用を増加した。セロトニンの添加はVIP、PHIの放出をいずれも用量反応的に促進した。VIPと同一の前駆体を有すると考えられるPHIの放出は、モル比でもほぼ1対1であった。 無麻酔ラットを用いるin vivoの実験系において、クロニジン、オピオイドペプチドの誘導体(FK33-824)の投与は血漿GHを増加させた。これらの作用はα受容体遮断剤フェノキシベンザミンの前投与によって抑制された。セレトニンやセレトニン前駆体の投与は血漿GH、血漿プロラクチンをいずれも増加させた。これらの増加反応は、GRFに対する抗血清ならびに、PHIやVIPに対する特異的な抗血清の前投与によって、有意に抑制された。 これらの成積から、GHやPRL分泌に重要な役割を有するGRF、VIP、PHIの分泌には脳門アミンとくにα自律神経機構やセロトニン機構が関与することが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Inoue,T;Y.Kato et al: Neuroscience Letters. 64. 17-22 (1984)
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[Publications] Tojo,K;Y,Kato et al: Proc Soc Exp Biol Med. 181. 517-522 (1986)
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[Publications] Kabayama,Y;Y,Kato et al: Brain Research. 372. 394-399 (1986)
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[Publications] Kabayama,Y;Y,Kato et al: Endocrinology. 119. 432-434 (1986)
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[Publications] Murakami,Y;Y,Kato et al: Endocrinology. 119. 1089-1092 (1986)
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[Publications] Murakami,Y;Y,Kato et al: Endocrinology. 120. 311-316 (1987)