1986 Fiscal Year Annual Research Report
膵島細胞X膵島腫細胞間のハイブリッド細胞におけるホルモン産生能の増幅
Project/Area Number |
61570557
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
高木 良三郎 大分医大, 医学部, 教授 (90038620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桶田 俊光 大分医科大学, 医学部・内科学, 助手 (60136439)
小野 順子 大分医科大学, 医学部・内科学, 講師 (40108692)
中村 三雄 大分医科大学, 医学部・解剖学, 教授 (70022770)
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Keywords | インスリン分泌細胞 / グルカゴン分泌細胞 / 細胞の増殖と機能 / 機能の増幅 |
Research Abstract |
1.細胞融合:インスリノーマ細胞(Inー111ーRI,RINr)と膵島細胞とのPEGによる融合を繰り返し行っているが、未だインスリン分泌細胞系はえられていない。 2.諸因子によるホルモン分泌の増巾:InーR1ーG9クローン株は、膵島A細胞の約1/50以下のグルカゴンを分泌する。この細胞につき増殖とホルモン分泌能の関連を検討し、ついでDNAメチル化阻害剤5アザシチジン(5AC),メトトレキセート(MTX),ハイドロコーチゾン(HC)の効果をみた。細胞はEDTAートリプシン継代後24時間は増殖を示さず、その間【^3H】ーチミジンの取り込みも抵下したが、18時間後より増加した。50時間後、細胞数は2倍となり、以後倍加時間28時間で増殖し続けた。グルカゴン分泌量は24時間以内は338pg/【10^4】/時間であったが増殖に伴い低下し、72,96時間では各々92,50pgを示した。5ACは、検討した種々の濃度、時間の中、10μΜ、24時間で細胞増殖を抑制し、分泌量は1.5〜2.5倍となった。MTXは5×【10^8】Mでやや細胞障害を示すものの増殖を抑制し、8日目の分泌量は800pgとなり、細胞内含量も対照の2倍に増加した。電顕的には、一部グルカゴン顆粒の増加が強められたが、粗面小胞体の拡張もみられた。HCは【10^(-3)】Mにおいてのみ細胞増殖を約20%抑制し、分泌量は2倍に増加した。これらの薬剤は除去することにより細胞増殖は回復し、分泌量は低下した。 3.コラゲンゲルを用いたホローファイバー培養:グルカゴン分泌HIP-116細胞を無血清の0.3%コラゲンゲル培地(D-MEM+F-12,1:1)に浮遊してホローファイバーに植込み、同培地で潅流培養して長期間の細胞増殖維持に成功した。70日後も細胞はviableで、培地中に5ng/ml以上のグルカゴンを分泌した。この培養中に短時間(pulse),分泌を増巾する方法を検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takaki,R.;Ono,J.;Nakamura,N.;Yokogawa,Y.;Kumae,S.;Hiraoka,T.: In Vitro. 22(3). 120-126 (1986)
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[Publications] Takaki,R.: Advances in Cell Culture. 6. 1-18 (1987)
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[Publications] 三井洋司,高木良三郎 他編: "機能細胞の分離と培養" 丸善, 509 (1987)