1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肥満成因としての褐色脂肪の意義解明と東洋医学的肥満治療機構解明に関する研究
Project/Area Number |
61570567
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
吉田 俊秀 明鍼灸大, 鍼灸学部, 教授 (60079770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺沢 宗典 明治鍼灸大学臨床医学教室, 助手 (10141516)
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Keywords | 肥満症 / 褐色脂肪組織(BAT) / Thermography / 体重 / 皮下脂肪 / 鍼治療 / 耳胃点 / 食事療法 |
Research Abstract |
[実験1]ヒト肥満成因としての褐色脂肪組織(BAT)の意義解明に関する研究。成人標準体重者33例と、20%以上の肥満者29例を対照に、エフェドリン(0.5mg/kg)筋注後の肩甲間BAT部の反応性を、Thermographyにて60分間記録し、Scintipac2400にて定量化する事により、肥満者にてBATの反応性が減じているのかどうか評価した。その結果、注射前よりの総反応増加量(%of℃・【cm^2】・分)は、健常人の33例(232.2±48.6)、肥満者正常反応群8例(211.0±50.6)、肥満者反応低下群14例(36.7±26.1,P<0.001)、肥満者反応遅延群7例(187.1±41.9,p<0.05)であった。又、肩甲骨下端皮下脂肪厚と本増加量の相関関係を検討すると、肥満者反応遅延群でのみ相関傾向がみられた。以上より、肥満者では、BAT部の反応低下例が有意に多く、この低下が肥満の一成因に成りうる事が明らかになった。しかし、この部の生検を6例試みたが、組織学的にBATが存在するという証拠は現在まだ得られていない。[実験2]東洋医学的肥満治効メカニズム解明に関する研究。今回は、肥満症への鍼治療点の一つとされる耳胃点と、その対照として、耳肘点、耳眼点を用い、健常成人男子5例にて、30分間通電刺激中の、肩甲間BAT部のThermographyでの反応性を検討した。しかし、通電刺激後の総反応増加量は、耳胃点(81.0±36.9)、耳肘点(8.8±73.7)、耳眼点(21.9±60.5)であり、胃点との比較にて0.1<p<0.05で、有意な増加と断定できなかった。症例を増やして更に検討を加えている。又、Thermographyにて、BAT機能低下と判定された14例を対照に、耳胃点刺激群(5例)、耳肘点刺激群(5例)、食事療法のみ群(4例)にて、3カ月間鍼治療の効果を検討した。体重減少は3群とも、治療前に較べ6〜4Kgであり、3群間に差が無かった。しかし、腋窩下部及び臍部皮下脂肪量は、耳胃点群にて他2群に較べ有意な減少がみられており、現在更に解折を急いでいる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] YOSHIDA,T;NISHIOKA,H;YOSHIOKA,K;KONDO,M;TERASHIMA,H: DIABETES. 36. 6-13 (1987)
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[Publications] YOSHIDA,T;NISHIOKA,H;YOSHIOKA,K;KONDO,M: METABOLISM. 36. 1-6 (1987)
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[Publications] NISHIOKA,H;YOSHIDA,T;YOSHIOKA,K;KONDO,M;: Endocrinol.Japon.(1987)
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[Publications] 吉田俊秀,西岡均,吉岡敬治,中村義雄,金綱隆弘,近藤元治: 肥満. (1987)
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[Publications] 吉田俊秀: 日本臨床代謝学会誌. (1987)
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[Publications] 吉田俊秀,西岡均,吉岡敬治,金綱隆弘,近藤元治: Peptide Hormones in pancreas. (1987)
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[Publications] YOSHIOKA,K;YOSHIDA,T;NISHOKA,H;NAKANO,K;KANATSUNA,T;KONDO,M;TERASHIMA,H: "Proceedings of the international symposium,Polyol Pathway,Nagoya 28-30 October,1986.……Prevention of reduced sympathetic nervous system activity and peripheral never disorders in STZ-induced diabetic rats by treatment with aldose reductase inhibitor ONO 2235." Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam, (1987)