1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570571
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長沢 俊郎 筑大, 臨床医学系, 講師 (70014298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 帥 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014215)
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Keywords | 培養巨核球 / ATP量 / セロトニン量 / DNA量 / エリスロポエチン / 血小板減少血清 |
Research Abstract |
マウス巨核球系前駆細胞(CFU-M)をpokeweed mitogen刺激脾細胞培養上清(PWM-SCM)の存在下で液体培養し、誘導される巨核球のDNA量,ATP量,セロトニン量,電顕による成熟度を経時的に観察し、遺伝子操作によるエリスロポエチン(r-Ep)と血小板減少血清(TS)の単独あるいは同時添加による各パラメターの変化を測定し、r-EpとTSの作用点を検討した。PWM-SCMのみで誘導される巨核球の培養7日目のDNA量(6.13±1.29N),ATP量(8.50±1.64mH/【10^6】mega),セロトニン量(19.7±2.4mg/【10^5】mega)と低値であり、電顕による成熟度の観察でも未熟型が大部分であった。r-Epを添加した場合、DNA量(13.05±4.12N),セロトニン量(70.3±11.4mg/【10^5】mega)と増加をみるのに対して、ATP(14.31±2.23mΜ/【10^6】mega)量は増加せず、電顕による解析でも未熟型が多くみられた。一方、TSを添加した場合、DNA量(8.38±1.61N),セロトニン量(28.3±5.9mg/【10^5】mega)の軽度の増加がみられたのに対して、ATP量(21.61±2.17mΜ/【10^6】mega)は著増がみられた。r-EpとT.Sを同時に添加した場合のDNA量(12.36±3.35N),セロトニン量(67.3±10.6mg/【10^7】mega),ATP量(29.31±3.01mΜ/【10^6】mega)はPWM-SCM単独の場合よりも著明な増加をみたものの、正常骨髄より分離した巨核球のDNA量(14.42±3.45N),セロトニン量(85.3±13.7mg/【10^5】mega),ATP量(33.61±3.15mΜ/【10^6】mega)に比し低値であった。r-EpとT.Sを同時添加により誘導された巨核球の電顕像では血小板分離膜,血小板densegranulaの発育の良好なものが多くみとめられた。以上の結果より、r-EpはDNA量,セロトニン量に作用し、T.SはATP量の調節に関与することが判明した。すなわち、r-Epは巨核球の成熟段階の早期に作用し、T.Sは成熟段階の後期に作用することが推察された。CFU-Mの分化,成熟にはMeg-CSFとM-potentiatorの二種の因子が必要と考えられているか、M-potentiatorもheterogeneousである可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)