1986 Fiscal Year Annual Research Report
人造血器腫瘍細胞の同調培養法-セルソーターでの解析-による高精度染色体分析
Project/Area Number |
61570580
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小熊 信夫 広島大, 医学部, 講師 (10034646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藏本 淳 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50034070)
今村 展隆 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 講師 (60110821)
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Keywords | 染色体異常 / 高精度染色体分析法 / メソトレキセート / サイミジン / セルソーター / 急性白血病 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病細胞の染色体異常を高率に検出するために、Methotrexate(MTX)による高精度分析法を行った。MTXの終濃度は【10^(-7)】モルで17時間培養した。その後のThymidine添加培養(終濃度【10^(-5)】モル)時間が高精度分析法に重要であるため、31/2時間、41/4時間、53/4時間の3点で培養時間の検討を行った。対象とした急性骨髄性白血病では症例により分裂期に入る細胞の割合は異なり幅広く分布していた。一般的な傾向としてはThymidine releaseは31/2時間では分裂前期に入らないことが多かった。一方53/4時間では分裂中期の細胞が多くなりprometaphaseの染色体は得られないことが多く。培養時間が長すぎた。従って培養時間は症例によってバラツキがあるが41/4時間から53/4時間の間で行うのが適切であることが判明した。 分析可能な染色体分裂像が得られるかどうか、またMTXを用いた高精度分析法がこれまでの分裂法より優れている点などについて検討した。分析可能な染色体分裂像はMTX添加により多くの症例で減少する傾向が見られた。また染色体が長くなればなるほど分染パターンがぼやけ、一方短くなれば(分裂中期像)分染パターンが明瞭になることが判明した。骨髄直接法、MTX非添加24時間培養法、MTX添加培養法の三法の比較を行った。対象は上記いずれかの方法で染色体異常が認められた急性白血病30症例である。FAB分類;M1=4例、M2=10例、M3=5例、M4=6例、M5=1例、M6=1例、RAEB=3例。couble minutesを有する症例ではMTX添加培養法が他の方法より有意に検出率が高かった。8;21転座を有する症例は方法の如何にかかわらず高頻度(80%)にそれが検出可能であった。15;17転座を有する症例は培養法により検出率が向上した。培養法でのみ初めて5q-が検出可能な症例もあった。染色体異常検出率の向上のため、引続き検討を重ねる予定である。
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Research Products
(1 results)