1986 Fiscal Year Annual Research Report
Interleukin-3(IL-3)の生体内における造血調節作用に関する研究
Project/Area Number |
61570595
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
金丸 昭久 兵庫医大, 医学部, 講師 (70068534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 隆弘 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80177089)
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Keywords | 造血因子 / インターロイキン-3 / GVH病 / 抑制因子 / エンドトキシン |
Research Abstract |
一代雑種【F_1】マウスに親マウスの免疫適格細胞を半致死量のX線照射後移植すると典型的なGVH病が発症し、それに平行して血清中に極めて高い造血促進因子(IL-3)が検出される。次にその因子の生体内における産生臓器を検索する為、GVH病マウスの各臓器をとりだして浮遊細胞培養を行い経日的にその培養上清中の活性を測定した。その結果骨髄,リンパ節,脾の細胞培養液中に造血因子活性がみとめられたが肝,腎などの細胞培養液中にはその活性を検出することはできなかった。本因子の活性はマウス胎児肝細胞を標的細胞としてメチルセルロースの培養系で種々の血球系統のコロニー形成能を指標として定量しているが、他の方法つまりIL-3依存性の細胞株FDC-P2の増殖を【^3H】-TdR取り込み量で定量する方法で検討してみると、前者のコロニー形成法とは必ずしも一致した結果が得られなかった。このことは血清中に混在する抑制物質によってコロニー形成法に対しては影響を受けないが後者の測定系のFDC-P2細胞の増殖が影響を受けることを示唆しておりこの抑制物質がGVH病にともなう特異的な抑制因子であるのか明確にする必要がある。なぜならGVH病に関連して赤血球産生の抑制が実験的に証明されているからである。又GVH病にともなって上昇する造血因子活性がIL-3と生化学的に同一の物質か或いは異なるものかは決定されておらず今後の研究課題として生化学的手法を用いて血清或いは培養上清の分画及び純化精製を行ってその活性因子及び抑制因子の性状を明らかにしたい。尚エンドトキシン由来の造血因子との異同を決定するためエンドトキシン無反応性のマウスC3H/HeJを用いた実験の結果、本因子はGVH病にともなう感染に関連してエンドトキシンが産生に関与しているものではないことを示唆する成績であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 篠原慶希 他: 臨床血液. 27. 30-35 (1986)
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[Publications] 金丸昭久: 臨床血液. 27. 1186-1194 (1986)
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[Publications] A.Kanamaru,et al.: International Journal of Cell Cloning. 5. (1987)
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[Publications] S.Yoshiyasu,et al.: American Journal of Hematology.
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[Publications] T.Okamoto,et al.: Experimental Hematology.