1986 Fiscal Year Annual Research Report
小児多臓器不全に対する生命維持装置開発の実験的研究
Project/Area Number |
61570608
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
久野 克也 神戸大, 医学部, 助手 (30135800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松森 正之 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30101067)
岡田 昌義 神戸大学, 医学部, 助教授 (70030856)
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Keywords | 多臓器不全 / 血漿交換療法 / 小児血液透析療法 / 肝腎症候群 |
Research Abstract |
小児外科領域において、低体温や感染などにより多臓器不全となった患者の予後は極めて不良である。現在、交換輸血が唯一の治療法とされているが、救命率は非常に低い。これらの重症小児患者の救命の為、人工肺、人工腎、血漿交換器などの人工臓器を組込んだ補助循環装置(生命維持装置)の開発のため実験的研究を開始した。本年度は、生命維持装置の開発と灌流実験に用いる肝腎肺不全犬の作成を行った。 1)生命維持装置の開発;小児を対象とするため、容量の小さい回路、又精度の高いポンプ及び管理の容易な自助制御装置を必要とする。そこで小型ローラーポンプと、リザーバーの容量を感知するセンサーを組み合わせた独自のポンプを開発した。又肺型人工肺、人工腎ダイアラザー、膜型血漿分離を直列に組み込んだ新しい回路を作成した。 2)多臓器不全モデル犬の作成;雑種成犬(10kg〜6kg)を使用し、開腹手術を行い、胆道及び両側尿管を握紮し、黄疸・腎不全犬を作成した。これらの処置を行った実験犬は平均4日間の肝腎不全のため死亡した。当初、計画したエンドトキシン静注による敗血症多臓器不全犬は、エンドトキシンの入手が困難なため施行できなかった。また、これらの実験群に対する灌流実験は、第2年度に行う予定である。
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