1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570610
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三村 久 岡山大, 医学部, 助教授 (80116508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 健 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
金 仁洙 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (30177969)
浜崎 啓介 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (90172965)
高倉 範尚 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (50163184)
上川 康明 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (00152851)
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Keywords | ラット同所性肝移植 / 輸血 / インシュリンレセプター / グルカゴンレセプター / ブタ肝移植 / ブタ同所性肝移植 / 肝移植時の全身血行動態 / 移植肝の代謝変動 |
Research Abstract |
1.ラットの同所性肝移植では、まず輸血による生命延長効果をみた。ラットはDonovにWister King,RecipientにACI,輸血用にSDのinbredを使用した。SD輸血群,DST群,輸血(-)群に有意の差は認められなかった。これは、inbredラット(SPF)の弱さのためと考えられた。次に、肝移植後の拒絶反応とは関係がないと考えられる、移植後早期肝合併症をみるために、肝細胞膜障害の有害をみた。Wister系雄性ラットを使用した。移植直後群,移植1日群,3日群,5日群のGOT,GPT,Al-P,LDH,ビリルビン,血糖,インシュリン,グルカゴン,インシュリンレセプター,グルカゴンレセプター,病理組織を検討し、同時に、肝保存中(4℃生食中)のインシュリンレセプター,グルカゴンレセプターの時間的変化もみた。結果は、現在検討中であるが、インシュリンレセプターよりもグルカゴンレセプターの変動が著明との傾向がみられている。 2.大型動物の肝移植実験としては、前半は雑種成犬、後半はブタを用いた。雑種成犬においては移植前後の肝血行動態,代謝について実験を行ない検討を加えた。しかし、雑種成犬では系・型の均一なものを入手することが困難ということもあり、11月以降は肝解剖がより人間に近い小ブタ(20〜25kg)を用いて同実験を行った。また、人間にも応用できるように体外ポンプを使用して無肝期を維持し、麻酔科の協力を得てよりsystematicに実験を行なっている。3月中旬までに9回のブタ肝移植を行ない、術式は細部にいたるまで完成し、すでに長期生存(75日)を得ている。現在はSwan-Ganz catheterを中心とした各種モニターを使用し術中の全身血行動態の変化,肝生検による酸素活性の変化,ホルモンの変動を測定している。また、肝保存に対するcytoprotecter agentの使用,拒絶反応に対する免疫抑制剤の使用について準備を進めている。
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[Publications] 三村久,高倉範尚,浜崎啓介,金仁洙: 手術. 40(1). 15-19 (1986)
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[Publications] akoto Tsumura;Satoshi Toda;Yoshio HirakiHisashi Mimura;Norihisa Takakura;Yashiko Ohno;Tadakazu Matsuda;Hitoshi Kim;Keisuke Hamazaki;M: World J.Surg.10. 302-310 (1986)
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[Publications] 三村久,金仁洙,折田薫三: 胆と膵. 8(1). 69-72 (1987)
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[Publications] 三村久,金仁洙,高倉範尚,浜崎啓介,落合陽治,作本修一,小沢健,折田薫三: 手術. 41(2). 161-165 (1987)