1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570610
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三村 久 岡山大学, 医学部, 助教授 (80116508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 啓介 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (90172965)
上川 康明 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (00152851)
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Keywords | 無肝期 / V-Vバイパス / 移植肝代謝 / ブタ同所性肝移植 / ラット同所性肝移植 / 循環動態 |
Research Abstract |
〔ラット同所性肝移植〕拒絶のおこる組み合わせ、おこらない組み合わせに対して、肝機能検査、病理組織学検査、モノクローナル抗体を用いた浸潤リンパ球の分析、RI検査による肝血流、肝網内系の分析を行ない相異を調べた。また、拒絶に対するサイクロスポリン、15-deoxy-spergualinの免疫抑制効果を研究した。 〔ブタ同所性肝移植〕全身および移植肝の術中循環動態の研究では、前年度までは麻酔法の点から検討を進めてきたが、今年度は主に無肝期体外バイパス流量の点から検討した。まず予備実験として肝温阻血下で輸血速度を一定にした後、バイパス流量を変化させて循環動態を測定した。次いで実際の移植において循環動態を測定し、高流量群と低流量群に分けて検討した。心拍出量と肺動脈圧の変化から高流量系の維持に有利であると考えられた。低流量群では大量出血やバイパス時間の延長に対処しきれないと考えられた。また、20〜30kgの子ブタにおいては約30ml/kg/分が適正流量と推測された。移植肝代謝の研究では前年度につづいて肝組織中のEnergy charge律速酵素、代謝中間体、血中の糖、乳酸ピルビル酸、アンモニア、インスリン、グリカゴンを測定し、代謝の流れをほぼ解明した。後半ではブドウ糖の投与量を変化させて代謝の動きを比較検討した。ブドウ糖非投与群では無肝期以後に嫌気性代謝の亢進、乳酸の上昇が強かった。一方ブドウ糖投与群では著しい高血糖がみられグルカゴン上昇による糖利用の抑制が推測された。2%程度のブドウ糖投与が望しいと推測されるがひきつづき検討中である。 以上の結果は第88回日本外科学会総会、第24回日本移植学会総会で発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大野靖彦: 日本外科学会雑誌. 89. 1192-1203 (1988)
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[Publications] 落合陽治 他: 循環制御. 9. 465-470 (1988)
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[Publications] Futoshi Morisaki, 他: Transplantation Proceedings.
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[Publications] Shinji Takasu, 他: Transplantation Proceedings.