1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570613
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
江里 健輔 山口大, 医学部, 助教授 (10034943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹山 桂 山口大学, 医学部, 助手 (30179923)
森 文樹 山口大学, 医学部付属病院, 助手 (20144959)
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Keywords | EPTFEグラフト / アロンアルファー / 生物学的接着剤 / 開存率 |
Research Abstract |
方法:雑種成犬の腹部大動脈あるいは総大腿動脈を2cm切除し、内径5mmのExpanded polytetrafluoroethylene graft(EPTFE)を移植した(前者23本、後者7本)。移植法により【I】群(宿主血管とEPTFEとの吻合予定部に4本のstay satureをかけ、アロンアルファーを塗布した後、生物学的接着剤-フィグリノーゲン0.1g+蒸留水1.25ml、トロンビン1000単位+Ca【cl_2】添加リンゲル液1.6ml、Factor【XIII】因子IA+蒸留水-を塗布)【II】群(【I】群と同じ方法でEPTFEを移植した後、4本のstay sutureを除去)の2群に分けた。 結果:26頭のうち、台上死6頭、早期屠殺死(移植1〜3日以内)10頭、長期生存(屠殺も含む)10頭であった。台上死6頭(【I】群4本、【II】群3本)はいずれも吻合終了後、血行再開と同時に吻合部が剥離し、大出血死であった。早期屠殺死10頭(【I】群3本、【II】群7本)うち、移植血管内に血栓があったもの4本、これのないもの3本、不明3本であった。長期生存10頭(【I】群7本、【II】群5本)のうち【I】群では開存6本(移植後2カ月1本、3カ月1本、7カ月4本)、閉塞1本(移植後3カ月)であった。これに対し、【II】群5本は全て開存している(移植後3カ月4本、5カ月1本)。肉眼所見では早期屠殺死例のうち、血栓があるものではEPTFE内腔は血栓で充満し、完全閉寒していた。いずれも吻合口径のミスマッチによるものと考えられた。長期生存例のうち屠殺したものでは吻合部内表面は平滑で、過剰な肉芽形成もなかった。開存しているものの血管造影所見では吻合部狭窄もなく、EPTFEの変形もなかった。 結語:(1)台上死あるいは早期閉塞例が多い。(2)開存例では吻合部に過剰肉芽形成もなく、吻合部内表面は平滑であった。(3)吻合手技を改良する必要がある。
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