1986 Fiscal Year Annual Research Report
抗フェリチン,モノクローナル抗体の作製と腫瘍マーカーとしての応用
Project/Area Number |
61570614
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
木村 茂 愛媛大, 医学部, 教授 (30036462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 康人 愛媛大学, 医学部, 助手 (30184229)
權 信澤 愛媛大学, 医学部, 助手
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Keywords | フェリチン / Lサブユニット / Hサブユニット / モノクローナル抗体 / 酵素免疫測定法 |
Research Abstract |
新規購入したUVメーターを用い、ゲル濾過、アフィニティ精製法にて、フェリチンを、肝臓、骨格筋および心臓各組織より分離、精製した。次いでSDS-PAGE法によって、それらフェリチンのサブユニット構成比を検討した。その結果、従来からいわれているように、肝臓フェリチンが、Lサブユニットを90%と最も多く含有していた。逆に、心臓フェリチンは、Hサブユニットを65%と、三者の中では最も多く含有していた。また、骨格筋フェリチンは、HおよびLサブユニットをそれぞれ50%程度含んでいることが新たに判明した。H、Lそれぞれの抗サブユニット抗体を得るため、骨格筋フェリチンを免疫原として、Balb/cマウスにフロイド・コンプリート・アジュバントと伴に復腔内投与し、得られた脾臓細胞をポリエチレン・グリコール法にて、マウス骨髄腫細胞株、P3UIと融合させた。その結果、抗Hおよび抗Lフェリチン・サブユニット・モノクローナル抗体分泌株をそれぞれ数株ずつ確立した。一方、すでに精製した、肝臓フェリチンを免疫原として、家兎に皮下注射を行ない、抗肝臓フェリチン・ポリクローナル抗体を作製し、酵素免疫測定法(ELISA法)にて血中フェリチンの高感度アッセイ法を確立した。次に、力価の高い、抗HおよびLサブユニット・モノクローナル抗体をそれぞれ一種ずつ選定し、本研究の大きな目標の一つである、血中フェリチン・サブユニット測定法を同じくELISA法にて確立した。本法の測定感度は、1ng/mlと良好で、回収率、希釈直線性、同時および日差再現性には問題はなかった。今後、この新たに確立したサブユニット測定法にて、血中フェリチン・HおよびLサブユニットを担癌患者について測定してゆく。
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