1986 Fiscal Year Annual Research Report
凍結手術後早期における免疫High Zone Tolerance抑制について
Project/Area Number |
61570625
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
蔵元 新太郎 東邦大, 医学部, 助教授 (50057460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 利章 東邦大学, 医学部, 助手 (80161818)
上田 哲郎 東邦大学, 医学部, 助手 (20138994)
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Keywords | 完全凍結 / 中間凍結 / 可溶化抗原 |
Research Abstract |
実験計画の実験群毎にVX-【II】実験腫瘍移殖後の絶対生存日数30日を対象に各群の生存日数の比較検討を、完全凍結と中間凍結(Necrobiosis)の條件に分けて行った。完全凍結(-60〜-80℃)では【I】群(凍結のみ)43日,【II】群(凍結+非特異的免疫賦活剤)は46日,【III】群(凍結+抗癌剤)は39日,【IV】群(凍結+非特異的免疫賦活剤+抗癌剤)は35日,単純平均日数(N5)では【I】【II】群の生存延長があり【III】【IV】群は短かいが、統計的に優位の差は認められなかった。一方、中間凍結(-40〜-20℃)では【I】【II】群は60日以上また治癒,【III】【IV】群でも60日,58日で明らかな有意の差を認めた。末梢血のクリニパ球のPHA幼若化能の変化については完全凍結の場合はバラツキが多く、一定方向性を示さなかったが、中間凍結の場合は【I】【II】群においてのみ一定の方向性がみられた即ち、凍結後の幼若化能低下が僅かであり、4週前后より移植前の値に復しそれ以后は更に上昇の傾向がみられている。【III】【IV】群においては未だ一定方向が出ていない。例数を増やして今後更に検討したい。現在のところから、極めて大胆であるが、推論してみるならば、完全凍結により1時的に大量の、腫瘍壊死が生に、その凍結融解過程に作られた。腫瘍抗原が、可溶化抗原となり、腫瘍促進の方向に働いた。一方、中間凍結の場合はこの可溶化抗原量が少し過剰抗原にならなかったばかりでなく、むしろ腫瘍抑制に働いたのではないかと考えている。この考えは松原等の実験的考察と合致し、Ablui,佐治等の推論している如くHigh zoNE toleranceの原因考察に有力な一助であると考えている。未た例数が各群ともN5であるので更に増加させ、追加検討し、同時に抗癌剤投与の時期についても推論が得られるのではないかと考えている。
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