1986 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌のgroup I pepsinogen産生とその臨床応用に関する研究
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61570629
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小玉 雅志 秋大, 医学部, 助手 (90153569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水沢 広和 秋田大学, 医学部第一外科, 助手 (80174019)
小棚木 均 秋田大学, 医学部第一外科, 助手 (00161935)
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Keywords | Group【I】pepsinogen / 胃全摘術 / 胃癌 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
胃癌患者75例の胃癌組織を酵素抗体法(PAP法)により染色し、胃癌組織のgroup【I】pepsinogen(以下PG【I】と略す)産生の有無を検討した。抗体は、東京大学第一外科、三木一正博士より入手した抗ヒトPG【I】ウサギ抗体を用いた。正常胃底腺のPAP染色では腺底部に集簇あるいは散在する主細胞が特異的に染色された。胃癌組織のPAP染色陽性例では胃癌細胞の胞体が微細顆粒状ないしは網状に染色された。胃癌75症例中PAP陽性例は44例(59%)であった。肉眼型分類からみると4型で陽性率が最も高く18例中15例(83%)であった。組織型分類からみると低分化腺癌が最も高頻度で30例中23例(77%)であった。とくに、Scirrhous typeを示すものは全例がPAP陽性であった。 胃癌患者の胃癌組織(転移陽性リンパ節)、血清、尿のPG【I】濃度をGroup【I】Pepsinogen Kit(Cis Sorin)により測定した。胃癌組織中PG【I】濃度を組織・血液比で表わし、PAP陽性例(15例)とPAP陰性例(10例)の2群に分けて比較検討した。前者の平均値±標準偏差は10.7±10.3、後者では4.4±7.9で有意差はないがPAP陽性例で高値を示す傾向にあった。胃全摘後患者の血中、尿中PGI値をみると、平均血中PGI値は胃癌再発例(20例)が12.3ng/ml、再発の認められない例(50例)では5.8rg/mlで両者間に有意差を認めた。しかし、尿中PG【I】値においては有意差がなかった。胃全摘後患者の血中PG【I】値と経時的に検索するとPAP陽性の再発死亡症例6例中4例では急激な上昇を示したが、再発兆候のない症例では大きな変化を示さなかった。 以上より、胃癌のPG【I】産生が明らかとなり、胃全摘後胃癌再発患者におけるtumur morkerとしてPG【I】が有用であることが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小玉雅志: 日本消化器病学会誌.
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[Publications] 小玉雅志: 日本消化器外科学会雑誌. 16. 2138- (1983)
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[Publications] 小玉雅志: 日本外科学会雑誌. 85. 675-685 (1984)
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[Publications] 小玉雅志: 秋田医学. 11. 289-308 (1985)
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[Publications] Masashi Kodama: Tohoku J.exp.Med.148. 239-240 (1986)