1986 Fiscal Year Annual Research Report
門脈大胆静脈バイパス施行下の門脈遮断の肝に及ぼす影響及び安全性についての実験研究
Project/Area Number |
61570657
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
笠原 小五郎 自治医大, 医学部, 講師 (30049035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 孝 自治医科大学, 医学部, 助手 (70189976)
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Keywords | 急性門脈遮断 / 門脈体循環バイパス / 抗血栓性カテーテル |
Research Abstract |
昭和61年度の研究では、門脈遮断時における門脈・大腿静脈バイパスの病熊生理について、主としてバイパス流量の差による腸管循環に及ぼす影響を明らかにするために以下の実験をおこなった。 〔方法〕雑種成犬を用い、門脈を遮断した群,門脈遮断と同時に抗血栓性カテーテルを用いて門脈血を大腿静脈へ門脈流量の10%を還流した10%バイパス群,同様に30%バイパスした群,50%バイパスした群を作成し、遮断群は1時間遮断,他の群は2時間遮断を行ない、遮断解除後3時間まで実験を行なった。それぞれ全身血行動態及び腹部臓器の血行動態を検討,また経時的採血を行ない、生化学的な変化を追求した。 〔結果〕以下の点について明らかにした(第87回日本外科学会総会にて発表予定)。 1.バイパス流量は本来の門脈流量の10%あれば、門脈遮断による腸管循環に対する影響は、単純遮断に比し、かなり少なくなる。 2.バイパス流量が本来の門脈流量の50%あれば、循環動態,及び腸管循環への影響は、ほとんどない。 このことを前提として現在、門脈・肝内門脈枝バイパスの門脈遮断及び門脈・肝動脈同時遮断,ならびに門脈・大腿静脈バイパス+大腿動脈・肝内門脈枝バイパスの肝に及ぼす影響及び安全性についての実験を行なっている。
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