1986 Fiscal Year Annual Research Report
切除不能胆管癌に対する温熱ならびに放射線療法の開発
Project/Area Number |
61570659
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山川 達郎 帝京大, 医学部, 教授 (10082116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大滝 修司 帝京大学, 医学部, 助手 (70185289)
三芳 端 帝京大学, 医学部, 助教授 (00010546)
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Keywords | 胆管癌 / 胆管悪性狭窄 / Endoprosthesis / 温熱療法 |
Research Abstract |
1.現在使用中の胆管内・外瘻用endoprosthesisのためのtubeは、無可塑剤塩化ビニール樹脂製で、その硬度、質は臨床上極めて優れているが、造影性に欠けること、頻繁に用いる12,14Frのtubeのつば付着部において折れることがよくあり、問題であることが判明した。前者に関しては、造影ラインを太くすることにより、また後者は、つばを小さく、薄くすることにより付着部にかかる力をできるだけ小さくすることでこの問題に対処しようと考え、現在改良型tubeを試作中である。 tubeは、23例の切除不能胆道狭窄例に試み満足すべき結果を得ている。平均生存期間は6,8ケ月であるが、殊にERBDが困難とされる上部胆管癌において良好な成績が得られつつある。一般にtube使用により胆汁の十二指腸への生理的流路が完成し、患者の食欲に著明な改善がみられた。 2.温熱療法に関しては、前述したendoprosthesis用tubeを抜去し、先端バルーン内にセンサーを装着したtubeを作製、第一段階においてはバルーン内に温水を灌流する方法を行ったが、tubeの硬度に問題があり、患者に与える苦痛も大きかった。そこで第2段階として先端バルーン内にセンサーとヒータープローブを装着したものを作製し臨床ならびに実験を行った。このtubeでは先端バルーン内の温度を45〜50℃に保つことが可能であることが実験的に確認されており、現在まで2例の悪性胆道狭窄例に応用した。温熱療法は週1回,60分,計5回位を1クールとして抗癌剤を併用しながら行いたいと考えている。温熱療法施行部癌病巣は白色調が強くなる傾向があり、臨床的にも出血が少なくなるように思われる。 今後は、本法により病変部に密着させて温めた場合、どの部位まで温め得るものか実験的に検討すると共に、その影響を細胞診,組織診で検討していきたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tatsuo Yamakawa: Southeast Asian Journal of Surgery. 9. 53-57 (1986)
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[Publications] 山川達郎: 第7回日本消化器内視鏡学会セミナーテキスト. 99-101 (1986)
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[Publications] 山川達郎: "図説標準外科手術" へるす出版,
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[Publications] 山川達郎: "肝・胆道・膵の手術" 医学書院,