1987 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生因子の研究-モヤモヤ病など脳貧血性疾患治療のための基礎的研究-
Project/Area Number |
61570688
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
榎本 貴夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10134230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 邦夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40092077)
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Keywords | 血管増生因子 |
Research Abstract |
手術により採取したヒト脳腫瘍, 脳動静脈奇形, 炎症産物等は何らかの血管新生作用はあると思われたが, それがspecificな作用なのか, 異物に対するnon specificな反応なのか, 未だ判然としていない. 1640SDS Pageを利用して45K近傍に異常なSpotsを発見しているが, 未だどのような性質のものか判然としていない. このようにして血管新生因子含有物質の同定に努めてきたが試料の量が少なく, その採取, 活性の測定には不向きであることが判明した. そこで今回は, ヒト脳悪性腫瘍培養上澄を大量に採取蓄積凍結保存することを目標とした. そのため我々はRTMY-1640に10%ウシ胎児血清を加えた培養液でヒトグリオーマA=172を培養しその上澄を1回20〜30mlずつ採取し, それを約5倍に濃縮し, -70°Cで凍結保存した. 現在までにこれは約1lを蓄積することができたが, 10lを目標にしている. 一方同時に活性因子のバイオアッセイシステムとしてヒト脳血管内皮の増殖度を観察することも考慮した. そこでその基礎実験としてラットの脳から血管内皮細胞を取出し, 培養する操作も同時に行っている. 次の段階ではこうして得られた材料をもとにしてFolkman等のヘパリンを利用したTWO Step methodniより因子の分離を試みる予定である.
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