1986 Fiscal Year Annual Research Report
各種レーザーの同軸複合照射に関する研究-特に脳血管手術への応用
Project/Area Number |
61570690
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
露無 松平 医科歯科大, 医学部, 講師 (50014345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸根 修 東京医科歯科大学, 医学部脳神経外科, 助手 (70188762)
田畑 均 東京医科歯科大学, 医学部脳神経外科, 助手 (80138479)
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Keywords | 炭酸ガスレーザー / Nα / YAGレーザー / 同軸同時多種レーザー照射 / 脳外科手術機械 / 脳血管 / マイクロアンジオグラフィー |
Research Abstract |
切開能の優れた高ピーク出力炭酸ガスレーザー(以下【CO_2】)と凝固能の優れたYAGレーザー(以下Y4-G)の単独、及び同軸複合照射の止血効果について研究するため、各種レーザー照射後の脳微小血管構築の急性期の変化を観察し、報告してきた。今回はその変化が照射48時間、及び7日後にどの様に変化するか、それと止血効果との関係について検討を加えた。 レーザー照射後急性期に於ける変化は既に報告した様に、YAG単独では凝固壊死層及び周辺の浮腫層で無血管又は乏血管の状態を示し、残存している血管も狭小化やtaperingを呈し、特に浮腫層深部での先細り消失が特微的で、【CO_2】単独では浮腫層の血管内腔は比較的良く保たれ、寧ろ拡張した血管が浮腫層或は浮腫層域は凝固壊死層で認められる事も少なくない。【CO_2】/YAG同軸複合照射では、両者の出力比に応じ各々のレーザーの特微が発現する傾向がある。今回のレーザー照射後48時間及び7日に於ける微小血管造影とH.E.染色の結果ではそれぞれの照射モードの急性期の変化が48時間後にも特徴を保っておりその変化の範囲は拡大し、拡大の程度はYAG照射後に特に大きいと考えられる。しかしながら新たな出血などの著明な組識破壊は認められず、7日後には上記の変化はある程度可逆的なものと考えられる。 YAGは【CO_2】に比べて止血能が高い点は既に報告した通りで、この止血能は、照射48時間後も維持されている事が今回明らかとなった。照射48時間後の無血管野、或は脳浮腫層の拡大が【CO_2】より寧ろYAGに強い事は、臨床応用に際し、留意すべき点と考えられる。 今後はこれらの照射モードの違いと微小血管変化の違いとの機序について研究が必要と考えられる。
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[Publications] Tsuyumu M;Tone O;Tabata H;Inaba Y: Proceedings of International Nd:YAG laser Symposium Tokyo JAPAN 1986.
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[Publications] Tone O;Tsuyumu M;Yamazaki S;Matsushima Y;Inaba Y: The Proceedings of International Nd:YAG laser Symposium,Tokyo JAPAN 1986.
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[Publications] 戸根修,露無松平,山崎信吾,新井俊成,田畑均,松島善治,稲葉穣: 日本レーザー医学会誌. 7. 157-158 (1986)
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[Publications] 露無松平,稲葉穣: 医療機器事典 改訂四版. 392-396 (1986)
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[Publications] 正岡博幸,露無松平,田畑均,稲葉穣: 日本レーザー医学会誌. 6. 279-282 (1986)