1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570699
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
タオ本 勝司 神戸大, 医学部, 講師 (50030979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 弘志 神戸大学, 医学部附属病院, 医員
浜 清 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所液性情報, 教授 (90028267)
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Keywords | グリオーマ / 細胞骨格 / 中間系フィラメント / GFAP / ビメンチンフィラメント / 免疫電顕法 / 金コロイド / 電顕立体観察 |
Research Abstract |
実験脳腫瘍細胞並びにヒトグリオーマ培養細胞の微細形態を立体的に観察し特に細胞骨格の存在形式及び分布を詳細に検討することを目的として、ヒトグリオーマ細胞株KNS-42を中心に研究を行なった。細胞はフォルムバール膜をはったサーモノックス板上に培養し、中間系フィラメントを検討すべく一次抗体として抗GFAP、抗ビメンチン、抗ニューロフィラメント抗体、および抗アクチン抗体を用い、二次抗体は大きさの異なる金コロイド粒子を結合した抗IgG(兎及びマウス)、およびプロテインAゴールドを用いて免疫電顕染色を行なった。アクチンフィラメントは細胞核を中心に放射状に分布しており、細胞質全体に広がってnetworkを形成していた。中間系フィラメントのうちGFAPは束状に走行する傾向があり、特に細胞突起には多数のフィラメントが、マイクロチュブルスと共に走り、突起の骨格を形成していた。KNS細胞にはビメンチンフィラメントも多く認められたが、形態上はGFAPフィラメントとの鑑別は不可能であり、免疫電顕法により初めて同定可能であった。ビメンチンフィラメントはGFAPほど束状に走らず、細胞突起よりも細胞質の中心に近い部分に比較的多い傾向が認められた。金コロイドの大きさを変えることにより、GFAPとビメンチンフィラメントの二重標識が可能であり、検索した範囲では殆んどの中間系フィラメントは抗原性を異にしていた。しかし、ごく一部の10nmフィラメント上には、立体観察により、5nmと15nmの二種類の金コロイド粒子が認められた。これらの結果から、大きさの異なった金コロイドを用いる免疫二重標識により、形態学的には鑑別不可能な細胞骨格の抗原性の違いを同定することが可能であるが、同一フィラメントが抗原性を共有しているか否かに関しては、更に詳細な検討が必要である。
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