1988 Fiscal Year Annual Research Report
髄液循環障害の頭蓋内圧、血行動態、脳代謝に及ぼす影響に関する実験的臨床的研究
Project/Area Number |
61570700
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
玉木 紀彦 神戸大学, 医学部, 助教授 (10030941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 悟 神戸大学, 医学部, 教授 (10030850)
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Keywords | 髄液循環吸収障害 / 内水頭症 / 水分量 / 脳室周囲浮腫 / 自由水含量 |
Research Abstract |
髄液循環吸収障害においては脳室拡大のために脳実質容量の減少を伴う。これは脳実質内の水分量の減少によるとする人と、逆に脳実質とくに脳室周囲白質内に水分量が増加するとする意見とがわかれている。本年度は実験的内水頭症を作製し脳室周囲白質と灰白質の全水分量の変化とそのうち特に自由水分量の含量の推持を検討した。方法:白ウサギ44羽(2.14-4,10kg)を用いた。ウサギを前身麻酔後、後頸部剃毛消毒後23ゲージ翼状針で大槽を穿刺し0.35-0.60mlのカオリン(500mg/ml)を等量の髄液排除後に注入した。無処理ウサギ6羽をコントロールとした。大槽注入後1週以内、1〜3(2)週、3組以降の3群にわけて検討した。ネンブタール過量投与によりト殺し、脳全体をとり出し、視交叉後部で冠状断し、水頭症を観察した。白質と灰白質の10-30mgを採取し乾燥重量法によって全水分量を測定した。また同部の2-10mgをサンプルシーラーでアルミカプセルに密封したのち示差熱量計を用い凍結可能水の凍結後融解熱から自由水分量を求めた。結果:全水分量:コントロール71.71±7.0%、1週水頭症脳白質71.78±6.0%、2週水頭症脳白質72.49±5.7%、3週水頭症脳白質76.42±7.0%で3週水頭症脳白質のみ有意の全水分量の増加を認めるのみであった。白質の自由水含量は全水分量中のコントロールを認めるのみであった。白質の自由水含量は全水分量中のコントロールは78.10±8.1%、1週は94.05±2.56%、2週は88.07±4.9%、3週は85.19±7.4%で、いずれの時期もコントロールに比し増加していた。灰白質の全水分量はコントロール79.11±4.7%、1週80.31±3.9%、2週80.63±2.5%、3週83.23±3.7%で3週のみ有意の水分量の増加を認めた。一方灰白質の自由水含量はコントロール84.05±7.6%、1週84.52±14.9%、2週85.72±6.0%、3週86.57±11.0%といずれも有意の変化はなかった。結論:内水頭症2週までは全水分量は変化なく3週に白質灰白質共増加する。しかし自由水分量は1、2、3週とも白質のみ増加した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 玉木紀彦: Clinical Neuroscience. 6(10). 679-687 (1988)
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[Publications] 玉木紀彦: 老年期痴呆. 2(4). 39-46 (1988)
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[Publications] Tamaki N.: Child's Brain.
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[Publications] Tamaki N.: Journal of Neurosurgery.
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[Publications] 児島範明: 脳と神経. 40(12). 1181-1187 (1988)
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[Publications] 児島範明: 脳と神経. 40(7). 679-687 (1988)