1986 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎・脊髄腫瘍に対して,ラジオ波加温温熱療法を応用するための基礎的実験
Project/Area Number |
61570712
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
本間 隆夫 新大, 医学部, 助手 (90157107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 栄明 新潟大学, 医学部, 助教授 (50018397)
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Keywords | 癌 / ラジオ波温熱療法 / 骨 / 脊椎 / 脊髄 / 脊髄誘発電位 / 温度 / 熱による障害 |
Research Abstract |
1.新鮮遊離骨組織に対するラジオ波加温効果〔方法〕イヌ新鮮大腿骨(長さ5cm、直経1.5cm)の中心に温度センサーを刺入して40℃の温水中に入れ、温水からの熱伝導のみで加熱した場合と、温水中で骨の両側5cmの所に置いた直経15cmの1対のアプリケータで13.56MHzのラジオ波を加えた場合とで、骨内の温度上昇速度を比較した。次いで同じ大きさの筋肉片を用いて同様の実験を行ない、ラジオ波の影響を骨と比較した。〔結果〕骨内の温度上昇速度はラジオ波を加えることにより増加し、その増加の程度は筋肉よりも大きかった。このことから、骨腫瘍に対してもラジオ波温熱療法が可能であることが示唆された。 2.イヌ生体での脊椎部ラジオ波誘電加温〔方法〕雑種成犬(体重00〜15Kg)の腰椎または胸椎部を背腰方向から加温した。加温部の厚さは13〜15cm、ラジオ波出力200〜400w、加温時間10〜20分、アプリケータは直径10,15,20cmの3対を使用して比較した。〔結果〕(1)アプリケータの直径10cm、および15cmの場合、背筋内のみが高温となり、椎体内は40〜41℃以下であった。いずれの場合も、長時間加温しても椎体内温度は上昇せず、またラジオ波出力を増加しても背筋内のみが著るしく高温となり、椎体内は41℃以下であった。直径20cmの場合、背筋から椎体までを42〜43℃に加温することができた。(2)脊髄内温度は周囲組織と同様に上昇していた。 3.イヌ脊髄の許容温度の検討〔方法〕上位腰髄のラジオ波加温を行ない目的温度を30分間維持した後、脊髄誘発電位(SEP)と組織像の変化を観察した。〔結果〕SEPは脊髄内温度の上昇とともに潜時短縮と振幅低下がみられ、46℃まで加温しても加温終了後は波形が完全に回復する場合もあったが、組織像では45℃の加温で破壊がみられた。よって脊髄の許容上限温度は30分加温で44℃付近と推定された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Uchiyama Seiji: Progress in Hyperthermic Oncology.Proceedings of the 2nd Annual Meeting of the Japan Socicty of Hyperthermic Oncology.148-149 (1986)
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[Publications] Uchiyama Seiji: Progress in Hyperthermic Oncology.Proceedings of the 3rd Annual Meeting of the Japan Society of Hyperthermic Oncology.(1987)
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[Publications] Yashiro Kozo: Progress in Hyperthermic Oncology.Proceedings of the 3rd Annual Meeting of the Japan Society of Hyperthermic Oncology.(1987)
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[Publications] 内山政二: 日本整形外科学会誌. 61. (1987)
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[Publications] 谷代弘三: 日本整形外科学会誌. 61. (1987)