1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570721
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
真角 昭吾 大分医科大学, 医学部, 教授 (50050373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 邦一 大分医科大学, 医学部, 講師 (90145384)
矢野 寛一 大分医科大学, 医学部, 助手 (70174563)
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Keywords | 同種骨移植 / 非脱灰標本 / 微小血管構造 / 骨形成 / 蛍光多重標識 / 寛骨臼底骨移植 |
Research Abstract |
1.骨移植の実験 骨移植における骨片の再血行化と骨形成の関係に注目し、家兎腸骨を用いて移植実験を行なった。移植骨の種類として臨床的に広く用いられている自家骨と、将来が期待される凍結同種骨を用いた。微小循環の観察法として墨汁注入後、透明標本を作成し、微小血管の移植骨への進入をみた。骨形成はテトラサイクリン多重標識を行なって、その蛍光像を蛍光顕微鏡で観察し、また非脱灰標本を顕微X線撮影して、骨形成の推移をみた。 対象とした自家骨移植では、2週目で移植骨の50%以上に再生血行を認め、4週目より8週目にかけて血管進入の程度は増し、深部にも到達した。凍結同種骨では自家骨に近い良好な再血行化を示すものから、血管進入が不良なものまでかなりのばらつきを示した。骨形成は移植骨周囲および母床境界部に著明であり、骨片深部への到達はかなり遅れる。 自家、同種移植のいづれにおいても、血管新生は骨新生に常に先行し、新生血管のない部位では骨形成が起こりえないことが判明した。血管とくに血管内皮細胞が骨形成に強く関与しているであらうことが示唆される。組織学的には免疫反応の像は認めがたかった。 2.骨移植の臨床的観察 臼蓋形成不全を伴なう変形性股関節症や寛骨臼破壊が著明は慢性関節リウマチに対して、寛骨臼蓋や臼底に自家腸骨あるいは保存同種骨を移植して、人工骨頭置換のみを行なう手術法を行なってきた。 この場合の移植骨の生着をX線像や骨シンチ像で追跡調査した。移植骨には寛骨臼との骨癒合がまず起こり、次に人工骨頭との間に一層の透明帯をはさんで骨硬化が出現する。内上方への移動は約1年7ケ月で停止する。この間骨シンチの集積はあるが、安定化とともに減少する。
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[Publications] 真角昭吾: 大分県医学会雑誌. 6. 138-143 (1988)
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[Publications] 宇都宮健治 他: 整形外科と災害外科. 37. 22-27 (1988)
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[Publications] 和泉弘人 他: 整形外科と災害外科. 38. (1989)
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[Publications] 矢野寛一 他: 第7回骨軟骨移植研究会. (1988)