1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570723
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
平沢 泰介 京府医大, 医学部, 助教授 (40079851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝見 泰和 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20161086)
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Keywords | 末梢神経損傷 / 修復 / 神経周膜 / 再生過程 |
Research Abstract |
1.成熟ラットの坐骨神経を圧挫損傷し、神経周膜の再生過程を光学顕微鏡学的ならびに電子顕微鏡学的に損傷後36週まで観察するとともに、透過性の変化についても蛍光顕微鏡を用いて損傷後36週まで観察した。 2.神経束被膜部では損傷後2週までは線維芽細胞様の細胞が同心円状に配列していた。損傷後4週および8週になると神経周膜細胞が神経束全周を1層から2層になってとり囲んでおり、神経周膜の層構造は損傷後24週および36週になると正常例と同様6層前後に回復していた。一方神経束内では、損傷後1週より線維芽細胞様の細胞がコンパートメントを形成していた。損傷後4週および8週にはコンパートメントを形成する細胞は神経周膜細胞の特徴を有していた。しかし、損傷後24週,36週と経過するにしたがってコンパートメントは退化していた。以上の電子顕微鏡学的所見より神経周膜細胞は線維芽細胞より発生すると考えられた。 3.正常坐骨神経ではEBAは神経束内へは浸潤しなかった。圧挫により損傷後4週および8週ではEBAは神経束内へ広範に浸潤していたが、損傷後36週になるとEBAは減少していた。 4.以上の実験結果より、神経周膜細胞は神経再生時においては神経束内にコンパートメントを形成することにより再生神経線維にとって最適な環境をより早期に作り出すとともに、成熟した神経線維を保護するために固有の透過性を有し、この透過性は圧挫損傷により障害されるが除々に回復していくことが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 斎木俊男: 整形外科基礎科学. 13. 255-257 (1986)
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[Publications] 斎木俊男: 京都府立医科大学雑誌. 95. 1051-1062 (1986)
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[Publications] 斎木俊男: 日本手の外科学会雑誌. 3. 95-97 (1986)