1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570726
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
都築 暢之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10049794)
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Keywords | 頚髄 / 前角細胞 / 細胞直径 / 経年性変化 / 圧迫性脊髄症 |
Research Abstract |
1.前年度までにその信頼性を明らかにした核小体法を用いて、ヒトの頚髄前角細胞(C7、Rexed IX層外側核)histogramの経年性変化を更に各年代の症例を増やして検査した。(全30症例)その結果、4歳で成人型の2峰性を示す例や、10歳代以上の各年代で代表的patternの他に別のpatternを示す例の存在も認められ、成人型への分化がかなり若年期に行われていることおよびその後の経年性変化に色々の個人差が関与していることが示唆された。老齢化に伴う小細胞群の減少の原因は明らかではない。小細胞は大細胞に比して環境の変化等の影響を受け障害され易いことを示しているのではないかと考えられる。これらの成長期での大小細胞の分化過程、老齢期での小細胞の脱落過程に関与する因子の研究は今後の問題である。 2.圧迫性変化計測群(病的状態でのhistogramの変化)症例55歳女慢性関節リウマチによる頚椎亜脱臼性頚髄症で循環不全から死に到った例の圧迫高度なC4髄節および圧迫軽度なC7髄節を検査した。高度に偏平化したC4髄節では、運動細胞数の減少、および、細胞数の減少が小細胞よりむしろ大細胞につよい細胞構成比が認められた。軽度に偏平化したC7髄節では全体として大細胞の脱落は著明では無く、通常の加令現象に近いhistogramが得られたが、一部に圧迫部位に類似したpatternが得られた。このC4髄節に認められた小細胞よりむしろ大細胞が脱落するpatternが圧迫部頚髄独特の変化である可能性がある。1例のみでは断定的なことは言えず更に症例を増す必要があるが、もし圧迫部頚髄に特徴ある変化であることが確認されれば、頚椎症性頚髄症の原因の追求に役立ち得ると考えられる。
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