1986 Fiscal Year Annual Research Report
癌の脊椎転移巣の病態と脊髄麻痺発生に関する実験的解明
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61570729
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| Research Institution | Teikyo University |
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Principal Investigator |
真鍋 昌平 帝京大, 医学部, 助教授 (80019546)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 友二郎 帝京大学, 医学部整形外科, 助教授 (50009586)
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| Keywords | 実験的脊髄転移癌 / 棘突起内腫瘍移植 / 脊髄圧迫 / Marchi顆粒 / 初期像としての上行性後索変性 / 後根・後索変性 / intrinsic vesselの減少,消失 / 脊髄内出血 |
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| Research Abstract |
Lewisラットの主として下位胸椎、上位腰椎の棘突起内にメチールコラントレン誘発肉腫細胞を約50万個移植し、麻痺の形成を期待した。レ線像で47匹中22匹に移植部脊椎に骨融解像が認められ、47匹の全例に麻痺が見られた。麻痺の程度をStage分類した。軽度麻痺のStage-2,3のものでは自質部の腟胞化とmyelinの消失が見られ、脊髄は腫瘍の圧迫により軽度変形,扁平化していた。麻痺の進行したStage-4,5では圧迫部脊髄は変形し灰白質全域が破壊されgliosisが形成され、灰白質,後索,及び側索に出血巣が認められた。墨汁注入法で脈管系を見るに、Stage-2,3の圧迫部脊髄ではperforating branchの減少が見られ、その部の灰白質では墨汁の漏出とcapillary networkの欠乏とが認められた。又、しばしば、圧迫部及びその頭側,尾側の2-3髄節以内の後索に出血巣が見られた。Stage-4,5では圧迫部脊髄において広範囲に墨汁の漏出があり、脊髄全域にわたって正常なintrinsic vesselが消失していた。圧迫部位より頭側,尾側の1-3髄節にわたり後索,側索,一部前索に墨汁の漏出が見られた。Marchi染色では、stage-2,3の圧迫脊髄の頭側においてMarchi顆粒が後索に認められ、これを頚髄部で見ると、後索の変性は2つの型を呈していた。この2型を尾側に追跡すると、圧迫部の後索自身の変性に因るもの、及び後根の変性にのみ由来するものの2型に分類された。Stage-4,5のものの頭側脊髄では後索に強い変性がみられ、圧迫部ではtransverse myelitisの像を呈していた。以上、転移巣による脊髄圧迫の初期像は後索、後根の変性であり、その後、圧迫部脊髄内の阻血と出血がその変性に関与してくると考えられ、現在、蛍光色素による動的血行状態を観察中である。
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Research Products
(1 results)
