1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570733
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
土肥 修司 筑大, 臨床医学系, 助教授 (40155627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 直樹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00181751)
近藤 孝 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30134232)
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Keywords | 局所麻酔薬 / テトラカイン / 脊髄血流量 / 脳血流量 / 血管収縮薬 / エピネフリン / オピオイド / 拮抗性鎮痛薬 / ブトルファノール |
Research Abstract |
1,局所麻酔薬テトラカインおよび局所麻酔薬に添加して使用されているエピネフリンの脊髄クモ膜下腔投与の局所脊髄血流量(SCBF)への影響を観察するために、雑種成犬を対象として、水素ガスクリアランス法を用いてSCBFと脳血流量(CBF)を同時測定した。 (1)テトラカイン 5mg.の脊髄クモ膜下腔投与は、動脈圧を有意に低下されたが、SCBF,CBFともに有意の影響を与えなかった。 (2)エピネフリン 100,300,500μg,の脊髄クモ膜下腔投与は、SCBFに一定の影響をもたらさず、またCBFも安定していた。 これらの結果は、Crosby G(アメリカ,1985)やKozody R(カナダ,1985)の結果と一致している。 2.次に脊随麻酔下で脊髄のautoregulationが存在するか否かを検討するためにテトラカインによる脊髄麻酔下で脱血、および炭酸ガス吸入によるSCBFの反応を検討した。 (1).呼吸性アシドーシスに対するSCBFの反応性は維持されているが、脱血による血圧低下ではSCBFは減少し、autoregulationは部分的に障害されていると推測された。 3.拮抗性鎮痛薬であるブトルファノール 0.1mg/kg ivは、CBF SCBF、【CMRo_2】に有意の影響を与えないが、CMRg/ucoseは有意に低下し、これはナロキソンによって拮抗された。 0.02mgの脊髄クモ膜下腔投与は、いずれにも有意の影響を与えなかった。 この結果は、研究者らのモルフィンの結果とは異なり、オピオイドの中枢神経系血流量に及ぼす影響は、オピオイドの特性によって異なることを示唆している。 次年度は、プロスタグランジン,クロンジンなどについて検討する予定である。
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[Publications] Dohi,S,;Takeshima,R.;Naito,H.: Anesthesia & Analgesia.
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[Publications] 松宮直樹,土肥修司,内藤裕史: 麻酔.