NBT還元能試験による麻酔手術患者の感染防禦能の変化に関する研究

1986 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 61570742
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 弓削 孟文 広島大, 医学部, 講師 (40034128)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 盛生 倫夫 広島大学, 医学部, 教授 (80033950) ; 向田 圭子 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (20182066) ; 石原 晋 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (00106808)
• Keywords: Nitroblve tetrazolium還元反応 / 好中球貪食殺菌能 / 手術患者 / 感染防禦機能

Research Abstract

1)健康成人においてNitroblue tetrazolium(NBT)還元試験をプール人血清で刺激した場合(E(-))とエシドトキシン50μg添加プール人血清で刺激した場合(E(+))と2種のテストを行い、鏡検にて陽性細胞数/100個細胞×100%で貪食殺菌率をあらわし正常値を決定した。N=8でE(-)69.1±9.9%(M.±S.D.),E(+)で93.5±4.1%(M.±S.D)であった。
2)108例の17〜83才までの無作為に選んだ全身麻酔により手術を受けた症例において全身麻酔導入前及び手術終了後NBT還元反応により好中球貪殺菌率を測定し手術侵襲及び全身麻酔の影響を検討した。
麻酔法別にみるとNLA24例,NLA+硬麻38例,NLA変法+硬麻12例,GOF11例,GOSero.8例,GOF+硬麻5例,GOEn+硬麻4例,GOEn及びNLA変法各々3例で、いづれの群間にも、術前後で統計的に有意は変化はみられなかった。又手術部位でも統計的に有意な変化はみられなかった。3)これら108例の症例中、1)の健康成人の平均値の2×S.D.を越えてE(-)E(+)ともに低下していた32例につき、麻酔法と手術部位を除く他の背景因子、特に術前よりの合併因子につき検討した。
最も多くみられたのは悪性腫瘍(+)で17例(53%)であり、次いで貧血(+)、糖尿病合併,低蛋白血症合併,ステロイドホルモン長期投与,腎不全,肝硬変合併,免疫抑制剤使用,肥満合併,高令者の順であった。しかし108例全体にみられた各背景因子総数の中での低下症例の占める割合いをみると低蛋白血症合併,腎不全合併,肝硬変合併例は各々100%であり、糖尿病合併,ステロイドホルモン及び免疫抑抑剤長期投与,肥満合併,貧血合併とつづき悪性腫瘍合併は33%であった。以上易感染性を示す背景因子の検索結果をもとに各背景因子を保有する手術患者の術後経過を検討することを昭和62年度の研究計画とする。

Research Products

• [Publications] Osafumi Yuge,et al.: Abstruct The 7th Asian Australasian Congress of Anesthesiology Excepta Medica Asia Pacific Congress Series. 55. 72 (1986)
• [Publications] Osafumi Yuge,et al.: Journal of Anesthesia.
• [Publications] 弓削孟文,他: 麻酔. 35. S496 (1986)
• [Publications] 弓削孟文: 広島医学.