1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570750
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸 彰夫 北海道大学, 医学部, 助教授 (20111172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 茂夫 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (10091571)
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Keywords | 膀胱腫瘍 / 再発 / 浸潤 / アリルスルファターゼA / 染色体分析 / 特異的赤血球付着法 / SRCA法 / Avidin Biotin Peraxidase Complex法 / ABC法 / T抗原 / Thomsen Fridenreich antigen |
Research Abstract |
膀胱腫瘍の再発浸潤に関して、以下の研究結果を得た。 1)、膀胱腫瘍患者尿および組識(腫瘍と膀胱粘膜)のアリルスルファターゼA(ASA)活性の測定をおこない、膀胱癌患者の尿中ASA活性はクレアチニン単位当りでは、正常人の尿中ASAに比較して有意に高く、膀胱癌組識のASA値も正常膀胱組識に比較して有意に高かったが、Gradeの間では両者とも有意差を認めず、再発の予知、浸潤に関してはやや不満な結果であった。 2)、尿中の剥離細胞を用いる染色体分析では、Grade、Stageの高いものほど染色体は2倍体以上の異数性のものが多く、分裂中期細胞も多いことが分かり、loro grade,loro stageの症例で、染色体分析では悪性度が高いものが、数例あり、今後の経過観察に於ける再発および浸潤に興味が持たれる。 3)、膀胱腫瘍の組識標本を使用しての特異的赤血球付着法(SRCA法)では、その陽性率とGrade,再発率,浸潤度との間での相関を認めなかったが、ABC法(Avidin Biotin Peroxidase Complex)ではloro gradeの膀胱癌における再発との関連を検討して、陽性例では33%、陰性例では62%の再発を認め、一応の相関々係を得たが、未だfalse positire negativeが多く、試切標本など更に多くの検討が必要と思われた。T抗原(Thomsen Fsiedemeich antigen)とABC法とを組み合わせた検討では、少数例ではあるが、予後や悪性化に対して、何らかの指標になる可能性が示唆された。 4)再発例における病理組識標本の検討では、Co in situ例を除き知見を得ていないが、今後random bopsyとの比較など、更に検討することによって、再発、浸潤例の傾向を見出す可能性があると思われる。
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