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1986 Fiscal Year Annual Research Report

癌細胞膜特性にもとづく腎癌の治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 61570771
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

窪田 吉信  横浜市大, 医学部, 助手 (10106312)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 穂坂 正彦  横浜市立大学, 医学部, 教授 (30106330)
Keywords細胞膜 / ヒト腎癌 / イノシトールリン脂質 / リポゾーム / c-myc遺伝子
Research Abstract

本年度は上記の研究課題を完遂すべく研究を行い下記の実績を得た。
(1) 研究に役立てるためにヒト腎癌組織より腎癌細胞株を分離樹立した。
(2) (1)で得られたヒト腎癌細胞株他を使用し細胞膜のリン脂質を分離し、フオスファチジルイノシトール(PI)及びその代謝物の解析を行った。その結果、腎癌細胞ではこのPI代謝の亢進が認められること、さらに細胞増殖の速度が極めて速い細胞株に異常な代謝物が出現することがわかった。
(3) 次にこれらの細胞株につき増殖ともっとも密接な関係があるとされる癌遺伝子c-myc遺伝子の発現を検索しPI代謝系とその相関を検討した。その結果、(2)でPI代謝の異常が認められた細胞株でのみc-myc遺伝子が過剰発現していることが明らかとなり、ヒト腎癌においてPI代謝及びc-myc遺伝子発現と癌の増殖動態が密接に関係していることを明らかにした。
(4) 各種イノシトールリン脂質(特にPI)のアナログを用いリポゾームを作製しヒト腎癌細胞の膜に組み込ませその効果を検討した。その結果、大豆由来のPIがもっとも強く細胞増殖を抑制し、さらに殺細胞効果をもたらすことが明らかとなり、癌の細胞膜のPI代謝系を修飾することによる新しい腎癌治療への応用が期待できる結果が得られた。
(5) 一方、PI代謝が密接に関わる可能性のある細胞膜の表面のポンプ機構に影響を及ぼし、抗癌剤の効果を増強する作用のある【Ca^(2+)】拮抗剤の効果の検討をも行った。
これらの研究成果の一部は論文及び日本泌尿器科学会と日本癌学会に発表した。今後はこの成果をふまえさらに発展させる計画である。
また、補助金により購入した設備備品は細胞膜の分離とPIはじめリン脂質の分離に使用した。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 増田光伸,桜本敏夫,森山正敏,執印太郎,三浦猛,窪田吉信: 日本泌尿器科学会誌. 77. 653-658 (1986)

  • [Publications] 増田光伸,執印太郎,窪田吉信: 日本泌尿器科学会誌. 77. 1592-1596 (1986)

  • [Publications] Kubota,Y.;Shuin,T.;Yao,M.;Inoue,H.;Yoshioka,T.: FEBS Letters. 212. 159-162 (1987)

URL: 

Published: 1988-11-10   Modified: 2016-04-21  

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