Research Abstract |
1.細胞融合実験 1)B82X HOUA95の細胞融合の結果, 様々のTumorigericity Indexを示すクローンを得ることができた. 各クローンの染色体分析の結果, 多岐にわたるヒト染色体が融合細胞中に導入されていることが判明したが, 造腫瘍性に関与したヒト内膜癌染色体を同定することはできなかった. 2)ラット3Y1細胞X HOUA95の細胞融合の結果, 3融合クローンを得た. 融合クローン中に導入されたヒト染色体は, 1Bクローンー6, 7, 8, 11, 16, 22, 6Bクローンー3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 12, 17, 18, 19, 22, 5Gクローンー4, 6, 8, 18番染色体であった. 融合クローンは内膜細胞特有の敷石状配列や重積性増殖を失い, 形態は3Y1細胞に類似した. 同時に3融合クローン共に足場非依存性増殖を欠除した. 3)ヒト線維芽細胞X HOUA95の細胞融合の結果, 3融合クローンを得た. それぞれのクローンの染色体分析の結果, 染色体数は86-94に分布し, 相同染色体の多型から融合細胞であることが示唆された. 融合細胞は内膜細胞に類似した敷石状配列, 部分的には重積性増殖を示したため, 内膜細胞の形態は線維芽細胞のそれに比し, 優性であると判断された. 軟寒天培地上のコロニー形成は細胞融合に伴い顕著に抑制され, 正常細胞には子宮内膜癌の造腫瘍性を抑制する因子が存在することが示唆された. 現在継代培養を行い線維芽細胞由来染色体の脱落と造細胞性回復の関連を検討中である. 2.HOUA95細胞へヒト正常細胞由来11番染色体の導入を, 微小核融合法により成功した. 現在まだ1クローンしか得ておらず, 本クローンの無胸腺マウスでの腫瘍形成は認められず, 子宮内膜癌抑制遺伝子は11番染色体に存在する可能性が強く示唆された.
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